(映画)天地明察 算哲の設問#2


メモ帳買っちまったよ。
(映画)天地明察 鑑賞前の雑感Link の問題は、映画で使われた問題そのものだった。招差術との言及はない。未知数2の等差数列でいっこうにかまわないのだが、設問は未知数3のままだ。
handai



条件過剰の「病題」。カテゴリー「繁題」。

和算監修が入ってもこの為体だから、冲方君がぐそぐそでもしょうがない。ってか?


こんなこっ恥ずかしいモンが市中に出回るなんて、薫くんなら「舌噛んで死んじゃう」ところだが、どっこい現代人の心臓には毛が生えている。金儲けの為なら何でもする。「恥も外聞もない」とはこのことだ。

和算問題を絵馬で出題/解答するというありもしない概念を植え付けた罪は深い。全ての責任は原作者にある。

ほーら、いわんこっちゃない。湧いてきた。
算額とは神社や仏閣に奉納した数学の絵馬
まあ、当時は神仏習合だから、神社を寺と誤認するのはしょうがないにしても、「算額=絵馬」という認識は「天地明察」が流布したものだ。

でも北極まで行って暦を作るのはとても大変だと思いました。
こりゃ完全に「ネタ」だ。笑わかしてもらいました。「大間」の画像が「北極」に見えたらしい。恐るべし「滝田監督」の表現力。憧れの「北極出地90度」!

馬鹿は伝染るんです。既にパンデミックだなこりゃ。処置なし。

10/17 訂正:
薫くんなら「舌噛んで死んじゃう」 −−> 薫くんのガールフレンド由美なら「舌噛んで死んじゃう」

— posted by nitobe at 11:25 pm   commentComment [0] 

 

(映画)天地明察 算哲の設問#1


yasui_123


設定が誤問なので、無術なのだが・・・。「病題」カテゴリ「転題」。「病題」カテゴリ「邪術」サブカテゴリ「戻術」ともいえる。

誤問を作るぞーという意気込みが感じられる問題。情けない。あほくさ。

mandelbrot


マンデルブロ集合に似ているね。
ここは、「explosion(爆発)」
x = -0.0938884202514072
y = 0.959822827920789
w = 3.14928E-12
マンデルブロ集合の景勝地には名前がついている。らしい。
「マンデルブロ集合計算・描画プログラム v3.3」作者:SADALink で描画してみた。

だからと言って何故、関が「好き」と言ったか全く理解できない。私ならでっかい赤い字で「無術」って書いてやる。

「日月を連想して云々」・・・馬鹿も休み休み言ってほしい。単行本、文庫本、コミックからしてそうなのだが、太陽はでかくて月は小さいなんていうイメージは何処から湧いてくるんだろう?地上での太陽と月の見かけの大きさはほぼ同じ。今回の皆既日食見てない?実際には比較にならないくらいの差があるのに、この中途半端なスケールを設定できるのはある意味神業だ。


gomon


一辺10の正方形に円を2つ内接させた場合。円の半径をa, b とする。

a + (a + b) / sqrt(2) + b = 10
a + b = 20 / (2 + sqrt(2))
2(a+b) = 40 / (2 + sqrt(2)) = 11.715728752538099023966225515806・・・

こんなこむずかしい計算ができて、正方形に2円を内接させた場合の一般解だと気づかないなんてありえない。余程間抜けだったってか?それは安井算哲殿に失礼だ。どうも、よってたかって算哲を貶めようとしているようだ。事実、改暦だって関孝和の協力がなくとも、ちゃぁんとやってるじゃないか。こんなろくでもない作り話で歴史を改竄しないでもらいたいものだ。責任は全て原作者にある。

 

— posted by nitobe at 11:20 pm   commentComment [0] 

 

(映画)天地明察 関の設問


seki1


おいおい

koukogen

鈎股があると何か楽しいことでも起こるのだろうか?おまけに、問題には言及されていない(直角三角形の)弦が作図されている。まあ、(直角三角形の)弦と書くと、円弧の弦と混同してややこしいことこのうえなくなるんだが。

特に条件が示されるわけでもなく、全く役に立たない鈎股弦であった。書いただけ~。問題を解く過程で必要だとしても、出題者が問題に描きこむ必要は全くない。大きなお世話だ。補助線は解答者がその都度生成すればよい。
図形自体も別段どうということのないもの。美しさとか巧妙さのかけらもない。「天球に浮かぶ2つの星・・・」がイメージできるなんてかなり奇特なお方だ。私は雨傘か落下傘にしか見えない。この弧が天球だと強弁するなら、股弦は円の中心に引くべきだと思うが、如何。

「依弧矢接鈎股」が余計。「病題(繁題)」(条件がないので教育的指導)
seki
クリックすると拡大します。

CADだと絵さえちゃんと描けば、簡単に求まっちゃう。

「十一寸有奇」って答で如何でしょう?
「十一寸一分九厘七毛六糸九忽五微有奇」この位書いておく?
「十一寸一分九厘七毛六糸九忽五微一沙四塵九埃九渺八漠六模糊三逡巡四須臾一瞬息八弾指六刹那六六徳八虚空六清浄六阿頼耶七阿摩羅七涅槃寂静有奇」これでどうだ?


何としても数式でというなら、
seki_4
クリックすると拡大します。


現代風に解けば:
弧 = 半径 * 2 * asin(弦 / 直径)
= 10 * asin(9 / 10)
= 11.197695149986341866866770558453996158951621864033028...


などという表現方法もある。

(逆)三角関数が禁じ手だった場合、地道に近似するしかない。

がんばっちくり。(映画)天地明察 関の設問 近似版Link


これって極論すると、円周率を求める問題だよね。1600年代のレベルですかねぇ。この辺の理論が確立するのは1700年代じゃぁありませんでしたっけ?確かに関孝和の円周率計算への貢献は大だが、こんな問題がほいほい解けるなら、関孝和はもとより、名だたる和算家達は誰も苦労はしなかった。

答が無理数じゃぁいかんとは言わないが、「明察」/「誤謬」の判定基準はどの辺にあるのだろう?

径一尺弦九寸って何か特殊な(例えば割りきれちゃう)条件で、私が気づかないだけなんだろうか?
そりゃぁ大発見だ。「円周率ついに割り切れる!」

算哲の答を失念したのは、返す返すも残念だ。DVDで確認しよう。算哲の答を覚えている方はご連絡ください。

10/01 追記:
どっかで見た問題だなぁと思っていたら、「括要算法 貞」(関氏孝和先生遺編・荒木村英検閲・大高由昌 校訂)十二丁オの求弧術の変形だね。「円率解」第三「求径率」で、 355/113 を求めた次の章にある問題だ。やはり円周率の文脈で吟味される問題だ。
求弧術 乃円率用周三百五十五尺径一百一十三尺

今有弧形只云弦八寸矢二寸則
問弧若干

答曰大弧九寸二分七厘二毛
    九糸五忽三微強
  小弧六寸四分三厘五毛
    〇一忽一微六繊強
術曰【以下略】
kyuko

円率 355/113 を前提に、弦と矢から弧を求める問題だ。弦八寸矢二寸の場合、直径は十なんだ・・・美しい
ときに、小弧 6.4350116 ってなんだろう。

10/02 追記:
何故だか、矢一寸の弧が小弧だねぇ。
kyuko_2



10/02 追記:
解法はその次、十四丁オの
【十四オ】
【前略】
弧背率解第一 求甲截背
矢一寸弦六寸弧内如圖容二斜次容四斜次容八斜
次容一十六斜次第如此至三萬二千七百六十八斜
各以勾股術求弦以斜數相乘之各得截背[各所得勾股弦及背
數列于後]

弧背演段圖
【十四ウ】
に近い方法になるだろう。この場合も、直径は十。美しい
32768・・・美しい。コンピュータ屋は2のべき乗を見ると体が反応してしまうんだ。

10/4 追記:
「関孝和論序説」(上野 健爾、小川 束、小林龍彦、佐藤賢一著/岩波書店)にもまさに十一丁ウ・十二丁オが掲載されている。
P152 史料7 
【十一ウ】
   三百二十七 一百〇四  三一四四二三〇七六九強
   三百三十  一百〇五  三一四二八五七一四三弱
   三百三十三 一百〇六  三一四一五〇九四三四微弱
   三百三十七 一百〇七  三一四九五三二七一微弱
   三百四十  一百〇八  三一四八一四八一四八強
   三百四十三 一百〇九  三一四六七八八九九一弱
   三百四十六 一百一十  三一四五四五四五四五強
   三百四十九 一百一十一 三一四四一四四一四四強
   三百五十二 一百一十二 三一四二八五七一四三弱
   三百五十五 一百一十三 三一四一五九二九二微強
如右求周數至周三百五十五徑一百一十三而比于
【十二オ】
定周雖有微不盡欲令之適合則周徑率及繁位故以
此而今爲定率也

求弧術 乃圓率用周三百五十五尺徑一百一十三尺


今有弧形只云弦八寸矢二寸則
問弧若干

答曰大弧九寸二分七厘二毛
    九糸五忽三微強
  小弧六寸四分三厘五毛
    〇一忽一微六微強
術曰立天元一爲大弧〇|自之爲大弧冪〇〇|寄
【十二ウ】
丁度読んでるところだった。タイムリーだなぁ。

11/1 追記:
『天地明察』 関孝和の設問を解いてみたLink 2012年10月31日(水) アンパンマン先生の映画講座Link
真面目に取り組んでいらっしゃる。

 


— posted by nitobe at 10:38 pm   commentComment [4] 

(映画)天地明察 観たぞー


突然、午後、時間が空いたので新宿ピカデリーLink で観てきた。12:25スタートの127席スクリーン*4(でっかい視聴覚室な感じ)で、二割位の入りかな?平日の真昼間だからこんなもんだろう。

こんなボロボロの原作で、滝田洋二郎監督と「天地明察」製作委員会の皆さんは概ねよく頑張った。万が一オオコケしても、それはあなたたちの所為ではなく、すべて原作者に起因する。
ストーリーと役者の演技はさておき、主だったところだけ。

1.算額の問題は全面的に改訂。
2.北極出地の観測機器はほぼ妥当なものを使用している。んが!
  角でんでん太鼓型歩数カウンタはいただけない。空海の招来した数珠で十分だった。
  あの変な歩き方も勘弁してほしかった。
3.象限儀は地味~に出てくる。あの目盛では何度強弱半位の精度だろう。
  真鍮色に輝く副尺をクローズアップすると伊能忠敬バージョンだとばれてしまう。
  つらいところだったね。滝田監督。
  そのくせ観測値は、360度100分表現。秒はない。数値自体はどうなんだろう?
  どのみち秒までの精度がないから、遠心力やら重力異常やら光行差(?)やらの
  補正が施された現代の値をパクってしまう心配はない。
4.「犬若岬」は出てこない。「加賀藩」のすったもんだもない。
5.最終観測地「三厩」はあっさり捨て去り「大間」な感じ。はっきりしない。
6.「必至」は関孝和とのからみで一回のみ。他は「御意」。
  「碁の語彙」だの「勝負の語彙」だの変な解説がないのでさほど気にならない。
7.象限儀ではなく渾天儀に拘ったのは正解。だがアルマジロドームはいただけない。
8.海外(たぶん欧州)の世界地図の真ん中が日本だなんて・・・変。
  ど真ん中に見えているのに「日本は何処でしょう・・・」なんてしらじらしい。
9.「梅小路」は北極出地当てバトルではなく日蝕当てバトルになっている。
  「ロッキー」みたいでなんか変。「えいどりあーん」じゃなくて「だんなさまぁー」だ。

算額の問題に関してはおいおい。

 

— posted by nitobe at 09:46 pm   commentComment [0] 

ちはやふる(18)



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ちはやふる(18) (BE LOVE KC)
著者: 末次 由紀
出版: 講談社
出版日: 2012-09-13
ISBN: 4063803597

本宅には使えない。

 

— posted by nitobe at 11:07 pm   commentComment [0] 

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