mini動物辞典



うぐいすうそうずら
おし
かえるかせぎかっこうからすかりかわずがん
きぎすきじきりぎりす
くいなくまくもとり
こおろぎこがらこま
さぎさる
しか
すずめすずむし
たかたず
ちどり
つる
てりうそ
にわとり
ぬえ
はいたかはしたかはと
ひぐらしひばりひわ
ふくろう
ほととぎす
ましらまつむし
みさごみずとり
やまばと
よぶこどり
わし



うぐいす うぐひす 【鶯】
(1)スズメ目ウグイス科の小鳥。主に山地帯の低木林に生息。雄は全長16センチメートルほど、雌はやや小形。背部は緑褐色、腹は白色。アジア大陸東部、日本・台湾などに分布。日本では留鳥または漂鳥。鳴く声が美しく、古くから飼い鳥として珍重されたが、現在は許可が必要。春告げ鳥。花見鳥。経読み鳥。人来(ひとく)鳥。[季]春。《―の身をさかさまに初音かな/其角》
(2)鶯の背のような色。鶯茶。
(3)美声、または声の美しい女性の形容に用いる。「―芸者」「―嬢」
(4)香道の火道具の一。長さ四寸(約12センチメートル)ほどの細い串(くし)。金・銀・赤銅などで作る。出香したあとの香包みを順次刺して、(た)いた順序が狂わないようにするもの。香串。
(5)冊子などを綴(と)じるときに用いる竹の串。
――鳴かせたこともある
昔は若く美しくて、男にもてはやされた時もあった。「今は梅干婆あであれど、花の若い時や色香も
深く、―/歌舞伎・質庫魂入替」
――の卵(かいご)の中のほととぎす
〔ホトトギスは鶯の巣に卵を産み鶯に育てさせることから〕子であって子でないこと。
――の谷渡(たにわた)り
(1)鶯が谷を飛んで渡ること。また、そのときの鳴き声。枝から枝へと飛び移ることにもいう。[季]
春。
(2)人や動物が物から物へ飛び移る曲芸。

きぎす 【雉子】
キジの古名。[季]春。「焼け野の―」

きじ 【雉・雉子】
キジ目キジ科の鳥。雄は全長80センチメートルほど、尾が長く40センチメートル近くあり、深緑色を主色とした羽色で美しい。雌は雄より小さく、全身黄褐色で尾が短い。地上で餌(えさ)をとり、早春の発情期に雄はケンケーンと鋭い声で鳴く。日本特産種で、1947年(昭和22)国鳥に指定。北海道以外の各地に分布。キギス。キギシ。[季]春。《父母のしきりに恋し―の声/芭蕉》
――の=草隠(くさかく)れ(=隠れ)
キジが草の中に頭だけを隠して尾が出ているのに気がつかないこと。一部を隠して、全体を隠したつもりでいること。頭隠して尻隠さず。
――も鳴かずば撃(う)たれまい
無用の発言をしたばかりに、自ら災害を招くことのたとえ。

かり 【雁】
(1)〔鳴き声からという〕ガンの異名。[季]秋。《一行の―や端山に月を印す/蕪村》
(2)ガンの鳴き声。「声にたてつつ―とのみ鳴く/後撰(秋下)」

がん 【雁・鴈】
カモ目カモ科の水鳥のうち、ハクチョウ類に次いで体の大きい一群の総称。雌雄とも地味な色で、水辺にすむ。ツバメとともに日本における代表的な渡り鳥で、マガン・ヒシクイ・サカツラガンなどが秋、北方より渡来し、春、北に去る。飛ぶときは V 字形などの編隊を組む。古くから食用にし、美味のたとえとされた。かり。かりがね。[季]秋。
――が飛(と)べば石亀(いしがめ)も地団駄(じだんだ)
石亀が、雁が飛ぶのを見て、自分も飛びたいと思って地団駄を踏む意。自分の能力を考えないで他人のまねをしたがるたとえ。

よぶこ-どり 【呼ぶ子鳥】
カッコウのように、鳴き声が人を呼ぶように聞こえる鳥。古今伝授の三鳥の一。[季]春。「大和には鳴きてか来らむ―象(きさ)の中山呼びそ越ゆなる/万葉 70」

ぬえ 【〓・鵺】
(1)トラツグミの異名。
(2)平家物語などで、源三位頼政に射殺されたという怪物。頭は猿、体は狸、尾は蛇、脚は虎に、それぞれ似ていたという。
(3)((2)から転じて)得体の知れない人物のこと。

ほととぎす 【〈杜鵑〉・〈時鳥〉・〈子規〉・〈不如帰〉・〈杜宇〉・〈蜀魂〉・〈田鵑〉】
(名)
(1)ホトトギス目ホトトギス科の鳥。全長約30センチメートル。尾羽が長い。背面は灰褐色。腹面は白色で黒い横斑がある。ウグイスなどの巣にチョコレート色の卵を産み、抱卵と子育てを仮親に託す。鳴き声は鋭く、「テッペンカケタカ」などと聞こえる。夏鳥として渡来し、山林で繁殖して東南アジアに渡る。古来、文学や伝説に多く登場し、卯月(うづき)鳥・早苗(さなえ)鳥・あやめ鳥・橘鳥・時つ鳥・いもせ鳥・たま迎え鳥・しでの田長(たおさ)などの異名がある。[季]夏。《―平安城を筋違に/蕪村》
(2)(「時鳥草」「杜鵑草」「油点草」の文字を当てる)ユリ科の多年草。丘陵や低山の湿った場所に生える。高さ約60センチメートル。葉は互生し、狭長楕円形で基部は茎を抱く。秋、葉腋に白色で紫斑がある花を一〜三個ずつつける。花被片は六個。和名は花の斑を(1)の胸の斑に見立てたもの。ほととぎすそう。[季]秋。
(枕詞)(1)が飛ぶ意から類音の地名「飛幡(とばた)」にかかる。「―飛幡の浦にしく波のしくしく君を/万葉 3165」

かっこう くわく― 【郭公】
カッコウ目カッコウ科の鳥。全長35センチメートル内外で、翼と尾が長い。背面は灰色、腹面は白で細い不規則な黒の横しまがある。日本には夏鳥として渡来する。開けた林や草原にすみ、カッコー、カッコーと鳴く。自分で巣を作らず、ホオジロやモズなどの巣に産卵し、ひなはその巣の親に養われる。閑古鳥(かんこどり)。呼子鳥(よぶこどり)。合法鳥(がつぽうどり)。[季]夏。〔平安時代以来、ホトトギスに「郭公」の字を当てることがある〕

くいな くひな 【〈水鶏〉・〈秧鶏〉】
(1)ツル目クイナ科の鳥の総称。日本で古来、鳴き声を「叩(たた)く」と表現されたのは夏鳥であるヒクイナ。[季]夏。「―のたたくなど心ぼそからぬかは/徒然 19」
(2)クイナ科の鳥。全長30センチメートル内外で、尾が短く、足の指が長い。背は茶褐色で黒褐色の細かい斑があり、顔から胸にかけ青灰色。湿地や水辺の草むらにすむ。日本では北海道と東北の一部で繁殖し、本州中部以南では冬鳥。フユクイナ。

うずら うづら 【鶉】
(1)キジ目キジ科の小鳥。体長15センチメートルほど。地味な黄褐色で一面に縦斑がある。ユーラシアに分布し、日本では北海道・本州の草原で繁殖。冬期は暖地に渡る。飼いウズラは肉・卵用に飼育・繁殖させたもの。[季]秋。
(2)〔鶉籠の形に似ているので〕昔の芝居小屋で、上下二段ある桟敷の下の段の称。
(3)「鶉豆」の略。

ちどり 【千鳥・鵆】
(1)チドリ目チドリ科の鳥の総称。全長15〜40センチメートル。ほとんどの種が足の指は三本で後ろ指を欠く。海岸や平野の水辺にすみ、親鳥は外敵が近づくと擬傷動作をする。北方で繁殖し、日本では春秋に通過する旅鳥が多いが、周年とどまるものもある。[季]冬。
(2)多くの鳥。「朝狩に五百つ鳥立て夕狩に―踏み立て/万葉 4011」

すずめ 【雀】
(1)スズメ目ハタオリドリ科の小鳥。全長約15センチメートル。背面は地味な黄褐色で頭は茶色、ほおとのどに黒い模様があり、腹面は灰白色。人家の近くで群れをなして生活し、虫や穀物を食べ、イネに害を与えることがある。ユーラシアに広く分布。
(2)事情通である人。また、内幕や情報をしゃべってまわる人。「楽屋―」
――の巣も構(く)うに溜(た)まる
(雀がわずかなものを運び続けて巣を作り上げるように)少しのものでも積もり積もれば多くなることのたとえ。
――の千声(せんこえ)鶴(つる)の一声(ひとこえ)
つまらない者の千言より、すぐれた人の一言がまさっていることのたとえ。
――の涙
非常に少ないことのたとえ。「―ほどの礼金」
――百まで踊(おど)り忘れず
幼い時に身についた習慣は、年をとっても身から離れない。

おし をし 【〈鴛鴦〉】
(1)オシドリ。鴛鴦(えんおう)。[季]冬。
(2)家紋の一。(1)にかたどったもの。
――の衾(ふすま)
「えんおう(鴛鴦)のふすま」に同じ。

たか 【鷹】
(1)タカ目タカ科に属する鳥のうち中・小形のものの総称。大形のものは一般にワシの名がつけられている。曲がった鋭い嘴(くちばし)をもち、脚には強い爪があり、小形の動物を捕らえる。オオタカ・ハヤブサ・ハイタカ・ノスリ・トビなど。オオタカ・ハヤブサは古く鷹狩りに用いられた。[季]冬。《―一つ見つけてうれし伊良古崎/芭蕉》
(2)〔目が鷹の目に似るところから〕能面の一。怪士(あやかし)の一種。「船弁慶」や「項羽」などの後ジテに使う。
(3)近世の下級の街娼。夜鷹。
――は死すとも穂はつまず
高潔な人は、どんなに困窮しても道理に合わない金品を得ようとはしない。鷹は飢えても穂をつまず。

さぎ 【鷺】
コウノトリ目サギ科の鳥の総称。細く長い首・くちばし・脚をもち、水辺で魚・カエル・カニ・貝・昆虫などを餌(えさ)として生活する。アオサギ・シラサギ類・ササゴイ・ゴイサギ・ヨシゴイなど種類が多く、世界各地に分布。

みずとり みづ― 【水鳥】
水辺にすむ鳥。水面を泳いだり、水中に潜って魚をとったりする鳥の総称。[季]冬。《―を吹あつめたり山おろし/蕪村》

からす 【烏・鴉】
(1)スズメ目カラス科の鳥のうち、大形でくちばしが大きく、全体に黒色のものをいう。日本ではハシブトガラスとハシボソガラスが全国に普通。全長50〜60センチメートルで、羽には光沢がある。田園や人家近くにすみ、雑食性で何でも食べる。古くから、神意を伝える霊鳥とされたが、現在は凶兆を告げる鳥と考えられることが多い。
(2)〔カラスの性質に似通うので〕(ア)口やかましい人。(イ)物忘れのひどい人。
(ウ)意地汚い人。(エ)うろついている人。「旅―」
――が鵜(う)の真似(まね)
⇒鵜の真似をする烏(「鵜」の句項目)
――に反哺(はんぽ)の孝あり
〔「小爾雅(広鳥)」より。烏が成長ののち、親鳥の口に餌を含ませて養育の恩に報いるということか
ら〕子が親に孝行することのたとえ。
――の頭(かしら)白く、馬(うま)角(つの)を生ず
⇒烏の頭(かしら)白くなる
――の頭(かしら)白くなる
〔秦(しん)に捕らえられた燕(えん)の大子丹が帰郷を願い出たとき、秦王が、烏の頭が白くなり馬に角が生えたら許してやろうと言ったという「史記(刺客列伝賛注)」などの故事から〕ありえないことのたとえ。烏頭変毛。
――の行水(ぎようずい)
入浴時間の短いたとえ。
――の雌雄(しゆう)
⇒誰(たれ)か烏の雌雄を知らん(「誰」の句項目)
――の鳴かぬ日はあれど
毎日必ず何かが行われることを強調していう語。「―、交通事故のない日はない」
――を鷺(さぎ)
⇒鷺を烏(「鷺」の句項目)

ふくろう ふくろふ 【梟】
(1)フクロウ目フクロウ科に属する鳥の総称。全長15〜70センチメートル。体幅・顔面が広く、眼が大きく、脚は太く短い。すべて肉食性で、多くは夜行性。世界に約一三〇種が知られる。耳のように見える羽角(うかく)のない種をフクロウ、羽角のある種をミミズクと呼ぶが、分類学上の区別はない。
(2)(1)の一種。全長約60センチメートル。全身灰褐色の地で黄白色や褐色の斑がある。夜間音もなく飛び、小動物を捕食する。森林にすみ、ゴロスケホッホと鳴く。日本各地のほかユーラシア大陸に広く分布する。[季]冬。《山の宿―啼いてめし遅し/虚子》
(3)狂言の一。「梟山伏(ふくろやまぶし)」に同じ。

たず たづ 【田鶴】
鶴(つる)をいう歌語。「葦辺をさして―鳴き渡る/万葉 919」

つる 【鶴】
(1)ツル目ツル科の鳥の総称。大形の鳥で、頸(くび)と足が長く、背の高さ1.5メートルに及ぶものもある。気管が長くとぐろ状で、鳴き声が共鳴して遠方にまで届く。湿地や草地に編隊を組んで飛来し、穀類や小魚を食べる。繁殖期などに、いわゆる「鶴の舞」を舞う。日本では北海道で留鳥のタンチョウのほか、鹿児島県・山口県などにマナヅル・ナベヅルが渡来する。体形優美で、長寿を象徴するなど吉祥の鳥として古くより尊ばれ、民話や伝説などにも登場する。歌語としては、古くは「たず」が用いられ、平安時代以降「つる」も用いられるようになった。千歳鳥(ちとせどり)。[季]冬。
(2)家紋の一。鶴の文様ををもとに作られたという。舞鶴・鶴の丸・折鶴など。
――来(きた)る
晩秋初冬の頃、鶴が北方から群れを作って営巣地へ渡ってくる。鶴渡る。⇔鶴帰る
――九皐(きゆうこう)に鳴き声天に聞こゆ
〔詩経(小雅、鶴鳴)〕鶴は深い谷底で鳴いても、その声は天に聞こえる。賢人は身を隠しても、その
名声は広く世間に知れ渡るということのたとえ。
――の一声(ひとこえ)
意見や利害が対立する多くの人を否応なしに従わせる権威者・権力者の一言。
――は千年亀(かめ)は万年
〔鶴や亀は長命でめでたいものとする考えから〕寿命が長く、めでたいことにいう。

くもとり 【雲鳥】
(1)雲の中を飛ぶ鳥。「―も帰る夕べの山風に/玉葉(雑二)」
(2)雲と鶴(つる)との模様。雲鶴(うんかく)。「―の紋の綾をや染むべき/大和 159」

にわとり には― 【鶏・】
〔庭の鳥の意〕キジ目キジ科の鳥。原種は東南アジアの密林にすむセキショクヤケイ。農耕の開始とともに家禽(かきん)として飼養されるようになり、用途に応じた改良がなされ、多くの品種が生じた。弥生時代にはすでに日本に渡来していた。採卵用の白色レグホン、食肉用のブロイラー・名古屋種、闘鶏用のシャモ、観賞用のオナガドリ・チャボなどの品種がある。くたかけ。とり。
――を割(さ)くにいずくんぞ牛刀を用いん
〔論語(陽貨)〕小事を処理するのに大人物や、また大規模な方法を用いる必要はないということ。

やまばと 【山鳩】
(1)山にすむ野生のハト。キジバト・アオバトなど。
(2)キジバトの俗称。

はと 【鳩・鴿】
ハト目ハト科に属する鳥の総称。翼長9〜40センチメートル。頭部が小さく胸から腹にかけてやや膨らむ。家禽(かきん)として飼育されるドバトはカワラバトを改良したもので、伝書用・観賞用・食用などの用途別に多くの品種がある。日本の野生種としてはキジバトが多い。世界に約三二〇種が知られる。平和の象徴とされる。
――が豆鉄砲(まめでつぽう)を食ったよう
突然のことに驚いて目を丸くするさま。あっけにとられるさま。鳩に豆鉄砲。
――に三枝(さんし)の礼あり
鳩は親鳩より三本下の枝に止まって礼を守る。礼儀を重んずべきことのたとえ。
――に豆鉄砲
「鳩が豆鉄砲を食ったよう」に同じ。
――を憎み豆を作らぬ
鳩が来てついばむのを嫌って、大切な豆を作ることをやめてしまう意。つまらない事にこだわるあまり、肝要な事を見失うたとえ。

ひわ ひは 【鶸】
(1)スズメ目アトリ科に属するカワラヒワ・マヒワ・ベニヒワの総称。[季]秋。
(2)「鶸色」に同じ。

う 【鵜】
ペリカン目ウ科の鳥の総称。中・大形の黒色の水鳥。首が長く細長い体つきで、くちばしが長く先が鋭く下に曲がる。水に潜って魚を捕り、のどにある嚢(そのう)に一時貯える習性がある。日本にはウミウ・カワウ・ヒメウ・チシマウガラスの四種が繁殖。ウミウを飼いならして鵜飼いに使う。
――の真似(まね)をする烏(からす)
〔姿が似ているからといって烏が鵜のまねをして魚を捕ろうとすると水におぼれることから〕自分の能力を考えないで、他人のまねをする者、またまねをして失敗することのたとえ。烏が鵜の真似。
――の目鷹(たか)の目
鵜が魚を追い鷹が獲物をさがすときの目のように、鋭いまなざしでものをさがし出そうとするさま。

ひばり 【〈雲雀〉・〈告天子〉】
(1)スズメ目ヒバリ科の鳥。全長約17センチメートル。体は褐色で黒い斑点があり、頭頂の羽毛は冠毛を形成する。空高く舞い上がり、幅広い翼をはばたき、停止するように飛びながらよくさえずる。全国の草原・畑地などで周年生息する。[季]春。《―より上にやすらふ峠かな/芭蕉》
(2)〔(1)の足が細いことから〕やせて骨ばっていること。→ひばりぼね

わし 【鷲】
タカ目タカ科の鳥のうち、大形のものの呼称。強大な翼と、鋭く曲がったくちばしと爪(つめ)をもち、鳥獣を捕食する。日本にはイヌワシ・オジロワシ・オオワシ・カンムリワシなどがいる。いずれも生息数が少ない。[季]冬。

しか 【鹿】
〔古くは「か」といい、「めか(女鹿)」に対して牡鹿を呼んだものという〕
(1)偶蹄目シカ科の哺乳類の総称。体重10キログラム以下から800キログラムまで、多くの種類がみられる。細長い四肢をもつ優美な外形で、枝分かれした大きな角が特徴的。灰色・褐色など体色の変異は大きい。森林・草原からツンドラまで広く分布する。
(2)(1)のうち特にニホンジカを指す。[季]秋。
(3)遊女の階級の一つで、「囲(かこい)」の異名。鹿恋(かこひ)の字を当てるところからいう。「香こそ愛らし梅(=天神)の花、―の起きふししをらしく/浮世草子・元禄太平記」
――の角を蜂(はち)が刺す
鹿の角を蜂が刺しても鹿は何も感じないように、いっこうに手ごたえがない。全く平気でいる。蛙(かえる)の面(つら)に水。鹿(しし)の角を蜂が刺す。
――を逐(お)・う
〔史記(淮陰侯伝)「秦失二其鹿一、天下共逐レ之」〕政権や帝位を得ようとして争う。中原に鹿を逐う。
――を逐(お)う=者(=猟師(りようし))は山を見ず
〔淮南子(説林訓)〕利益を得ようと熱中する者は、周囲の情勢に気がつかないことのたとえ。
――を指(さ)して馬となす
〔秦の趙高が鹿を二世皇帝に献じて馬であると披露すると、群臣は趙高の権勢をはばかって反対を唱えなかったという「史記(秦始皇本紀)」の故事から〕自分の権勢をよいことに、矛盾したことを押し通す。また、人を愚弄する。白を黒という。鹿を馬。

ましら 【猿】
猿の異名。

さる 【猿】
(1)霊長目に属する人類以外の動物の総称。顔に毛が少なく、手の指が発達し、すぐれた知能をもつ。狭義にはニホンザルをさす。古くから、神聖視され、馬の守護神とされた。ましら。
(2)小利口な者をののしっていう語。「―まね」「―知恵」
(3)戸の框(かまち)や桟に取り付ける木片あるいは金物で、敷居や鴨居(かもい)・柱などの穴にさしこみ、戸締まりをする仕掛け。
(4)炉の自在鉤(かぎ)の高さを調節する仕掛け。
(5)江戸時代、風呂屋にいた遊女。湯女(ゆな)の異称。
――に烏帽子(えぼし)
人柄に相応しない服装や言動をたとえていう語。
――の尻(しり)笑い
自分のことを省みずに、他人の欠点をあざわらうことのたとえ。
――も木から落ちる
木登りの上手なはずの猿も、時には失敗して落ちる意。その道に長じた者も、時には失敗することがあるというたとえ。弘法(こうぼう)も筆の誤り。上手の手から水が漏れる。

くま 【熊】
(1)クマ科の哺乳類。体は大きく、四肢が太く、頭胴長2.8メートル、体重700キログラムを超すものがある。長い鉤爪(かぎづめ)を有し、嗅覚がすぐれる。体色は種類により黒色・褐色・白色などがある。冬、穴にこもり、絶食する種類もある。雑食性。ユーラシア・南北アメリカに分布し、日本には本州以南にツキノワグマが、北海道にヒグマがすむ。[季]冬。
(2)〔立見席と一般席の間に鉄柵があり、その後ろにいる者が檻(おり)の中の熊のように見えることから〕立ち見客の称。
(3)(接頭語的に)動植物名の上に付いて、「形が大きい」「力が強い」などの意を表す。「―樫(くまがし)」「―蜂(くまばち)」

こま 【駒】
(1)馬。「―を進める」「―なめていざ見にゆかむ故郷は/古今(春下)」「何れの馬にか―なき/今昔10」〔(1)古くは子馬の意でも用いた。(2)上代では「うま」「こま」ともに用いられたが、中古以降「こま」は歌語として用いられた〕
(2)中世、特に、牡馬。「バビロニアノ国ニ―ガ嘶(いば)エバ/天草本伊曾保」
(3)将棋・チェス・双六などで、盤上で動かすもの。
(4)三味線やバイオリンなどの胴と弦との間に挟んで弦を支えるもの。弦の振動を胴に伝える働きもする。
(5)物の間に挟み入れる小さな木。「―をかう」
(6)H 字形の糸巻き。
(7)家紋の一。将棋の駒(3)や三味線の駒(4)をかたどったもの。
(8)自分の勢力下にあって、自由に使うことのできる人や物。「―が足りない」
――を進・める
次の段階へ進む。「準決勝へ―・める」

かわず かはづ 【蛙】
(1)カエルの別名。[季]春。《古池や―飛こむ水の音/芭蕉》
(2)カジカガエルの別名。

かえる かへる 【蛙・蝦】
無尾目の両生類の総称。尾はなく、発達した後ろ足とやや小さい前足とをもち、後ろ足に五本、前足に四本の指がある。普通、後ろ足には水かきがある。小昆虫やクモなどを食べる。水辺にすむものが多いが、草むらや樹上にすむ種類もある。幼時はオタマジャクシと呼ばれ、水中にすむが、二〜三週間で変態し、四肢が生え、尾が消失して陸上にあがる。食用になる種もある。トノサマガエル・ヒキガエル・アマガエル・ウシガエルなど種類が多い。かわず。[季]春。「―の合唱」《痩(やせ)―まけるな一茶これにあり/一茶》
――の子は蛙
子供はたいてい親に似るものだ。また、凡人の子はやはり凡人になる、の意とも。
――の面(つら)に水
〔蛙の面に水をかけても平気でいることから〕どんな仕打ちをされても、全く平気でいること。しゃあしゃあとしているさま。蛙の面に小便。
――の頬冠(ほおかむ)り
〔蛙の目は背後にあるので、頬冠りをすると前方が見えないことから〕目先の利かないこと。
――の目借(めか)り時(どき)
春、蛙がさかんに鳴く頃の眠くてたまらない時期。〔蛙が雌を求める意の「妻(め)狩る」から転じたとも、「蛙に目を借りられ」て眠いからともいう〕
――は口ゆえ蛇(へび)に呑(の)まるる
〔蛙は鳴くので蛇に居所が知れて呑まれる意から〕余計な口をきいて身を滅ぼすことのたとえ。蛙は口から呑まるる。

ひぐらし 【蜩・〈茅蜩〉】
セミの一種。頭からはねの先まで約45ミリメートル。頭部と胸部の背面は赤褐色と緑色が紋様をなす。はねは透明。初秋の早朝と夕方、カナカナと高い声で鳴く。北海道南部から奄美大島にかけて分布する。カナカナ。カナカナゼミ。[季]秋。《―や陽明門のしまるころ/赤星水竹居》

きりぎりす 【〈螽斯〉・〈螽〉・〈蟋蟀〉】
(1)キリギリス科の昆虫。体長40ミリメートル内外。体は緑色か褐色で、前ばねの部分には黒点がある。はねは短く、腹端に達する程度。雌の産卵管は長く細い剣状。雄は夏、草むらでチョンギースと鳴く。本州以南の日本各地に分布。ハネナガキリギリス・ヤブキリなどの近縁種をも含めることがある。[季]秋。《むざんやな甲の下の―/芭蕉》
(2)コオロギの古名。「―いたくな鳴きそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる/古今(秋上)」
(3)〔櫓(ろ)のきしる音がキリギリスの鳴く音に似ているところからという〕江戸時代、吉原に通う二挺だての屋形船。きりぎりすぶね。きりぎりすまる。

こおろぎ こほろぎ 【〈蟋蟀〉・】
(1)直翅目コオロギ科の昆虫の総称。体は太く短く、頭部は丸くて光沢があり、触角は糸状で長い。後肢は長く、跳躍に適する。尾端に二本の尾毛がある。多くは地表にすみ、雄は美しい声で鳴く。通常は、エンマコオロギ・ハラオカメコオロギ・ミツカドコオロギなど黒褐色の大形種をさすことが多い。古くはキリギリスといった。[季]秋。《―が髭をかつぎて鳴きにけり/一茶》
(2)古く、秋に鳴く虫の総称。「庭草に村雨降りて―の鳴く声聞けば秋付きにけり/万葉 2160」

すずむし 【鈴虫】
(1)コオロギ科の昆虫。体長17ミリメートル内外。黒褐色で扁平。触角の基半部、肢の基部は白色をおびる。触角は細長い。草むらにすみ、雄は前ばねを立てリーンリーンと鳴く。秋に鳴く虫として古くから飼われる。本州以南の日本と朝鮮半島・中国・台湾に分布。[季]秋。
(2)マツムシの古名。「げに声々の聞こえたるなかに、―のふり出でたる程、花やかにをかし/源氏(鈴虫)」
(3)源氏物語の巻名。第三八帖。

まつむし 【松虫】
(1)コオロギ科の昆虫。体長23ミリメートル内外。頭は小さく、体は舟形で後肢が長く、全体が淡褐色。草原・林にすみ、成虫は八〜一一月に出現する。雄はチンチロリンと美しく鳴く。古来、鳴く虫の代表として親しまれた。本州以南の各地と中国・東南アジアに分布。[季]秋。《人は寝て籠の―鳴き出でぬ/正岡子規》
(2)スズムシの古名。平安時代、マツムシとスズムシの名称は現在と反対であったといわれる。「虫は、鈴虫、ひぐらし、蝶、―、きりぎりす/枕草子 43」
(3)歌舞伎の下座音楽に用いられる楽器。小形の伏せ鉦(がね)。六部の出や寂しい寺院などに用いられる。

かせぎ 【鹿】
シカの古名。「山深み馴るる―のけ近さに/山家(雑)」

こがら 【小雀】
スズメ目シジュウカラ科の小鳥。全長13センチメートル内外。頭・のどが黒く、顔や腹が白い。ユーラシア中・北部に分布。日本でも各地の山地で繁殖。コガラメ。十二雀(じゆうにから)。[季]秋。

うそ 【鷽】
(1)スズメ目アトリ科の鳥。スズメより少し大きい。頭は黒、背は青灰色。腹は灰色。雄のほおはバラ色。ヨーロッパ・アジア北東部に分布。日本では本州中部以北で繁殖し、冬は暖地に渡るものが多い。口笛を吹くように鳴き、よく人になれる。うそひめ。ことひき鳥。[季]春。《―のこゑきゝそめしより山路かな/式之》
(2)鷽替(うそかえ)の神事に用いる、(1)をかたどった木製の玩具。

てりうそ 【照鷽】
鳥ウソの雄の称。頬とのどが淡紅色であることからの名。

みさご 【鶚・〈雎鳩〉】
タカ目ミサゴ科の猛鳥。全長60センチメートルほどで翼が細長く、腹が白いのでカモメに似る。海岸や湖沼にすみ、魚を見つけると水面に急降下し、足でつかみとって食べる。南米と極地を除く全世界に広く分布。

はいたか 0 【▼鷂】
〔「はしたか(鷂)」の転〕タカ目タカ科の鳥。全長35センチメートル内外。雄は上面は灰青色、下面には赤褐色の横斑がある。雌は上面は褐色、下面の横斑は灰黒色。ユーラシアに分布し、日本では全国の低山帯の林にすむ。雄は雌よりも小さく、羽色を異にするので、コノリとも呼ばれる。

はしたか 0 【▼鷂】
「はいたか(鷂)」に同じ。



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