Title  夫木和歌抄 西行和歌拔粹  Description  夫木和歌抄  例言 一本書は鎌倉時藤原長清の撰集に係り、上は萬葉集より古今、後  撰以下の勅撰集、下は家集或は歌合等の歌にして證歌となる可  き者を採收せるなり、蓋し勅撰集は各其撰歌に標準あり、從ひて  採擇に限ありて、此標準に違ふものは如何に雅致ある詠と雖往  々撰に入ること能はざる者あり、かの俊頼朝臣の奇歌の如き、西  行法師の蝦夷語を使用したる作の如き、古代の言語に泥まず當  代の言語其儘を詠出せるの類は皆此例なり、然るに本書は私撰  なるを以って煩瑣なる軌範に束縛せらるゝことなく、右等の詠を  始め如何なる體の歌をも、隨意に洽博に採收することを得たり、  是最も他の諸集と其撰を異にする所にして、以て當時勅撰集以  外の新派者流の面目を覗ふに足る、實に其採集の廣き歌數の多  き、且つ各種の歌軆を備へて趣味に富みたる、古來の家集撰集中  能く是に匹敵するもの無し、是を以て本書は後世文學上種々の  例證に引用せられ、爲に座右缺く可からざるものとなれり、始め  本書成れる際長清是を携へてその師冷泉爲相卿に〓【才+(檢−木)】閲を請ふ、  卿是を見て大に悦び、夫木和歌抄と命名せること本書跋文に見  えたり、 一本書作者藤原長清及び撰集の時代に就きては今詳に知り難し  と雖、作者部類に五位勝田遠江守藤原、玉葉雜一、一首と見え、其  玉葉集雜一、題しらずとありて、   志たをきもかつほにいつる夕露に        やとかりそむる秋の三日月  とあり、また本書第三十六、雜部十八に、永仁二年藤原長清が家歌  合の歌とて、參議爲相卿の詠を載せたるに據り考合はすれば、略  ぼ是を察すること難からず、即ち永仁は伏見天皇の年號、玉葉集  は花園天皇正和二年代見上皇の勅によりて撰集せしものなる  を以て、長清の本書を撰集せし時代は、伏見天皇の朝、若しくは是  を去ること遠からざる頃なるを知る可き也、 一本書は寛文五年板を底本とし、契冲阿闍梨校本、清水濱臣校本、黒  川眞道氏藏古冩本等により校訂せり、 一本書假名遣は中古一定の法ありしにも係らず、傳冩の際、種々誤  りたれば今は總て改訂したり、  明治卅九年十一月  Book  夫木和歌抄卷第一  Section  春部一  Subtitle  歳内立春【00001-00019:十九首】  0001:0017:山家下                西行上人 年ははや月なみかけて越にけりむへつみけらしゑくのわかたち  この歌家集云野に人あまた侍けるを何する人そととひけれは  菜つむものなりとこたへけるに年の内にたちかはる春の志る  しのわかなかさはと思ひて云々  Subtitle  朔日【00020-00041:二十二首】  0002:0036  家集元日聞鶯                西行上人 しめかけてたてたる宿の松にきて春の戸あくるうくひすのこゑ  Subtitle  元日宴【00042-00048:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  立春【00049-00091:四十三首】  0003:00058  家集春立ける日                西行上人         〔こほり3イ〕 解初るはつ若みつのけしきにてはるたつことのくまれぬるかな  0004:00072  家集立春朝をよめえる                西行上人          〔思ねの4イ〕 年くれぬ春くへしとは思はねとまさしく見えてかなふはつゆめ  0005:00089  家集中法興院にて立春を                西行上人 三笠やま春を音にてしらせけりこほりをたゝくうくひすのたき  Subtitle  初春【00092-00136:四十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  子日【00137-00172:三十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  卯日【00173-00182:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  若菜【00183-00289:百七首】  0006:00240  家集きゞすを                西行上人       【菜】 もえいつるわか葉あさるときこゆなりきゝすなくなるはるの曙  Subtitle  白馬【00290-00297:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  御齋會【00298-00301:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  賭射【00302-00309:八首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第二  Section  春部二  Subtitle  〓【(貝+貝)/鳥:鶯】【00310-00463:百五十四首】  0007:00367  家集鶯を                西行上人 色つゝむ野へのかすみの志たもえき心をそむるうくひすのこゑ  0008:00368 つくりをきし苔の衾にうくひすは身にしむうめの香やうつす覽  0009:00369 うくひすはゐ中の谷の巣なれともたみたる音をはなかぬなり鳧  0010:00370 鶯はわれを巣もりにたのみてやたにのほかへはいててゆくらん  Subtitle  霞【00464-00561:九十八首】  0011:00540:家集上  伊勢のふたみのうらにて海邊のかすみを                西行上人 浪こすとふたみのまつの見えつるは梢にかゝるかすみなりけり  Subtitle  餘寒【00562-00580:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  殘雪【00581-00587:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  春氷【00588-00606:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  若草【00607-00630:二十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  春霜【00631-00638:八首】  Book  夫木和歌抄卷第三  Section  春部三  Subtitle  梅【00639-00743:百五首】  0012:00673  家集中                西行上人 うめかゝを山ふところにふきためて入こむ人に志めよはるかせ  0013:00674  雪こうはいをうつむ               〔同イ〕 雪のしたの梅重ねなる衣の色をやとのつまにもぬはせてそみる  Subtitle  柳【00744-00889:百四十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  早蕨【00890-00935:四十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  春雨【00936-00978:四十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  稻荷詣【00979-00984:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  春日祭【00985-00993:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  遊絲【00994-01006:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  春駒【01007-01051:四十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  燕【01051-01060:十首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第四  Section  春部四  Subtitle  花【01061-01557:四百九十七首】  0014:01062  家集花歌中                西行上人 うくひすの鳴音に春をつけられてさくらかえたや春めきぬらん  0015:01063  同〔イ〕                同 とき花や人より先にたつぬるとよし野にゆきてやままつりせん  0016:01064  春の月あかかりける夜まだしき櫻を風のゆるがしけるをみて                同            〔なへ2〕 つきみれは風にさくらの枝たれて花よとつくるこゝちこそすれ  0017:01085:山家上  家集                西行上人    〔は1イ〕 おいつとに何をかせましこの春の花まちつけぬわか身なりせは  0018:01086  家集春歌中 なへてならぬ四方の山邊の花はみなよし野よりこそ種は散けめ  0019:01101:六帖  家集泊舟尋花                西行上人         〔山を3イ〕 こきいてゝたかしのおきにみわたせはまた一むらもさかぬ白雲  0020:01141:新千春下  家集                西行上人 神ち山みしめにこもる花さかりこらいかはかりうれしかるらん  0021:01159  家集に落花を                西行上人 木のもとに旅ねをすれはよしの山花のふすまをきするはるかせ  0022:01160  花歌中に                同 ときはなる花もやあるとよしの山おくなく入てなほたつねみん  0023:01171  花の歌とてよみけるに                西行上人             〔に1イ〕 山櫻よし野まうてのはなしねをたつねんひとのそてにつゝまん  0024:01172  花歌中に 今もなしむかしもきかす志きしまのよしのゝ花を雪のうつめる  0025:01176  家集                西行上人 水上に花のゆふたち志きるらしよしのゝかはのなみのまされる  0026:01251:【底本脱。日文研データにて補う。】 かさこしのみねのつつきにさくはなはいつさかりともなくやちるらむ  0027:01317  家集堺花主不定                西行上人 ちりまさんかたをやぬしとさたむへきみねをかきれる花の村立  0028:01318  家集                同 志らかはの春の梢のうくひすははなのことはをきくこゝちする  0029:01366:風雜上  家集                西行上人 木の本に住ける跡をみつるかななちのたかねのはなをたつねて  此歌はなちにまふで侍けるに花山院の御あん志つの侍ける前  に年ふりたるさくらの木の有けるをみてすみかとすればとよ  ませ給ひけん事思ひ出られてよみけると云々  0030:01393  花歌中                西行上人     〔ゆき1〕 くれなゐの色はむかしの事ときくに花の匂ひにみつるけふかな  0031:01457  家集風前落花といふ事を                西行上人 山さくらえたきるかせの名殘なく花をみなからわかものにする  0032:01458  花歌中                同 勅とかやくたすみかとのいませかしさらは恐れて花やちらぬと  0033:01459  同                同 おもひやるたかねの雲の花ならはちらぬなぬかは晴しとそ思ふ  0034:01460  同                同 風ふくとえたをはなれてちるましく花とちつけよあを柳のいと  0035:01490  家集山路ちるはな                西行上人 ちりそむる花のはつゆきふりぬれはふみ分まうき志かの山こえ  0036:01491  同                同 はるかせの花のふゝきにうつもれてゆきもやられぬ志かの山道  0037:01527  家集花歌                西行上人 うき世にはとゝめおかしと春風のちらすは花ををしむなりけり  0038:01528  奈良のこうよ法印の坊にて雨中花と云事を                同 春雨に花のみそれのちるけるをきえてつもれるゆきとみたれは  0039:01536  家集                西行上人 もみちみしたかのゝみねの花盛たのめぬひとのまたるゝやなそ  此歌は寂然法師もみぢの盛に高野にまいりていでにけり又の  としの花のをり申つかはしけると云々  0040:01537  高野に侍ける比草庵に花のちりければ                同 ちる花のいほりの上をふくならは風いるましくめくりかこはん  0041:01538  家集雨中落花を                同 梢うつあめに志ほれてちる花のおしきこゝろをなにゝたとへん  Subtitle  遲日【01558-01567:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  春月【01568-01585:十八首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第五  Section  春部五  Subtitle  歸鴈【01586-01687:百二首】  0042:01630  家集歸鴈を                西行上人 玉章のはしかきかともみゆるかなとひおくれつゝかへる雁かね  Subtitle  春曙【01688-01695:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  野遊【01696-01701:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  春野【01702-01705:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  春海【01706-01717:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  春雜【01718-01738:二十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  三月三日【01739-01758:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  桃花【01759-01765:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  雉【01766-01803:三十八首】  0043:01783  家集春歌中                西行上人 片岡に志はうつりしてなく雉子たつはおとしてたかからぬかは  0044:01784 おひかはる春のわかくさまちわひてはらのかれ野に雉子鳴なり  Subtitle  喚子鳥【01804-01841:三十八首】  0045:01840  家集                西行上人 駒なつむ木曾のかけちの喚子鳥たれともわかぬこゑきこゆなり  Subtitle  雲雀【01842-01864:二十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  苗代【01865-01906:四十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  春田【01907-01909:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  蛙【01910-01938:二十九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第六  Section  春部六  Subtitle  菫菜【01939-01983:四十五首】  0046:01961  家集菫菜                西行上人                      〔り1〕 たれならむあらたのくろにすみれつむ人は心のわかなかるへし  Subtitle  杜若【01984-02010:二十七首】  0047:02005  家集                西行上人 廣澤のみきはに咲るかきつはたいくむかしをかへたてきぬらん  Subtitle  〓【(ヒ/矢)+欠:款】冬【02011-02090:八十首】  【西行歌無し】  Subtitle  藤花【02091-02196:百六首】  0048:02127   【濯1】  御裳灌歌合                西行上人 藤波もみもすそかはの末なれは志つえをかけよまつのもゝえに  XXXX:02195:拾遺愚草下  西行上人すゝめ侍けるみもすその歌合判してつかはしけるとき                前中納言定家卿 神路山まつの木末にかゝるふちの花のさかえをおもひこそやれ  0049:02196:家集下  返し〔イ〕                西行上人 神路山きみかこゝろのいろをみん志た葉の藤にはなしひらけは  Subtitle  躑躅【02197-02255:五十九首】  0050:02236:山家上  躑躅爲山光といふ事を                西行上人 つゝし咲山の岩かねゆふはえてをくらはよその名のみなりけり  0051:02237:同  山路のつゝじ                同     〔ら1〕 岸つたひをりて躑躅を手にそとるさかしき山のとりところには  0052:02241  家集                西行上人 神路山いはねのつゝし咲にけりこらかまそてのいろにふりつゝ  Subtitle  暮春【02256-02279:二十四首】  0053:02273  家集春歌中                西行上人 おもひいてて古巣にかへる鶯はたひのねくらやすみうかりつる  Subtitle  三月盡【02280-02298:十九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第七  Section  夏部一  Subtitle  更衣【02299-02316:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  首夏【02317-02343:二十七首】  【西行歌無し】  Subtitle  餘花【02344-02348:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  新樹【02349-02362:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  卯花【02363-02468:百六首】  0054:02367  家集水邊卯花                西行法師 たつた川きしのまかきをみわたせは井せきのなみにまかふ卯花  Subtitle  神祭【02469-02474:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  葵【02475-02512:三十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  賀茂祭【02513-02529:十七首】  0055:02528  家集                西行上人 思ふことみあれの志めに引鈴のかなはすはよもならしとそ思ふ  Subtitle  早苗【02530-02606:七十七首】  0056:02535  家集取早苗聞郭公                西行上人 郭公こゑにうへめのはやされてやまたのさなへたゆまてそとる  Subtitle  五月五日【02607-02619:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  菖蒲 附 蓬【02620-02667:四十八首】  0057:02639  家集さる事有て人の物申つかはしける返事に五日                西行法師 をりにあひて人に我身やひかれましつくまの沼の菖蒲なりせは  0058:02655                西行上人 櫻ちるやとをかされる菖蒲をははなさうふとやいふへかるらん  此歌家集かやう院に中の院と申所に菖蒲ふきたるはうの侍け  るにさくらのはなのちりけるがめづらしくおぼえてよめると  云々  Subtitle  橘【02668-02728:六十一首】  0059:02703  五日郭公といふ事を                西行上人 あやめふくのきににほへるたちはなにきてこゑ具せよやま郭公  Subtitle  花柑子【02729:一首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第八  Section  夏部二  Subtitle  郭公【02730-02977:二百四十八首】  0060:02737  家集郭公歌中                西行上人 鶯のふるすよりたつほとゝきすあゐよりもこきこゑのいろかな  0061:02815  家集                西行上人 ほとゝきすなきわたるなる波の上に聲たゝみおく志かの浦かせ  0062:02856  となりをあらそひて郭公をきくといふことを                西行上人 たか方に心さすらむほとゝきすさかひのまつのうれになくなり  0063:02874  家集                西行上人 晝はいてゝすかたの池にかけうつせ聲をのみきく山ほとゝきす  0064:02927  山寺郭公                西行上人 ほとゝきすきゝにとてしも籠らねと初瀬の山はたよりありけり  Subtitle  五月雨【02978-03068:九十一首】  0065:02982  家集五月雨                西行上人 五月雨に水まさるらしうちはしのくもてにかゝる浪の志らいと  0066:02983  同                同 ひろせ川わたりのせきのみを志るしみかさそふらし五月雨の比  0067:02984  同                同 なかれやらてつたの入江にまくみつは船をそもやふ五月雨の比  0068:02985  同                同 五月雨はゆくへき路のあてもなしをさゝか原もうきになかれて  0069:02986  同                同 ふねとめしみなとのあしまさほたえて心ゆくらん五月雨のころ  0070:03024  雨中郭公                西行上人 たちはなのにほひこすゑにさみたれてやま郭公こゑかをるなり  0071:03039  家集                西行上人 水なしときゝてふりにしかつまたのいけあらたむる五月雨の比  0072:03050:【03050-03059底本脱。日文研データにて補う。】                西行 はやせかはつなてのきしをよそにみてのほせわつらふさみたれのころ  0073:03051:【03050-03059底本脱。日文研データにて補う。】                西行 さみたれにせたのさなへやいかならむあせのうきつちあらひこされて  0074:03052:【03050-03059底本脱。日文研データにて補う。】                西行 さみたれにやまたのあせのたきまくらかすをかさねておつるなりけり  0075:03053:【03050-03059底本脱。日文研データにて補う。】                西行 かははたのよとみにとまるなかれきのうきはしわたすさみたれのころ  Subtitle  照射【03069-03106:三十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  麥【03107-03111:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  牡丹【03112-03114:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  樗【03115-03125:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  百合【03126-03139:十四首】  0076:03138  しん性さだまらずといふことを                西行上人 雲雀たつあらたにおふる姫百合のなにゝつくともなき我身かな  Subtitle  鵜河【03140-03180:四十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  水鷄【03181-03185:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  螢【03186-03278:九十三首】  0077:03194  家集夏歌中                西行上人 さは水にほたるの影のかすそそふわかたましひや行てくすらむ  0078:03195  同                同 おほえぬをたか魂のきたるらむおもへはのきにほたるとひかふ  Subtitle  夏神樂【03279-03288:十首】  0079:03283:明玉  家集夏神樂                西行上人 志のにをるあたりもすゝし河社さかきにかくるなみの志らゆふ  Subtitle  夏雜【03289-03317:二十九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第九  Section  夏部三  Subtitle  夏夜【03318-03325:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏月【03326-03345:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  紫陽草【03346-03356:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏草【03357-03374:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏野【03375-03376:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  蚊遣火【03377-03394:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏衣【03395-03403:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  扇【03404-03421:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  瞿麥【03422-03486:六十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  瓜【03487-03498:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  夕顏【03499-03514:十六首】  0080:03514  百首歌                西行法師 あさてほす賤かはつきをたよりにてまとはれてさく夕かほの花  Subtitle  蓮【03515-03539:二十五首】  0081:03520  百首歌                西行上人 よそふなる月の御かほをやとす池にところをえてもさく蓮かな  0082:03532:山家集上  家集                西行上人 夕立のはるれはつゆそやとりける玉ゆりすするはすのうきはに  XXXX:03539:【底本脱】  Subtitle  菱【03540-03546:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏田【03547-03552:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  夕立【03553-03573:二十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  蝉【03574-03624:五十一首】  0083:03582  家集                西行上人 山さとの背面の岡のたかき木にすゝろかましきあきせみのこゑ  Subtitle  茅蜩【03625-03637:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  納凉【03638-03685:四十八首】  0084:03642  家集                西行上人 ひさきおひすゝめとなれる陰なれや浪うつきしに風わたりつつ  0085:03643  同                同 なみたてる川原柳のあをみとりすゝしくわたるきしのゆふかせ  Subtitle  泉【03686-03699:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  氷室【03700-03727:二十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏鹿【03728-03735:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夏虫【03736-03742:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  晩夏【03743-03759:十七首】  【西行歌無し】  Subtitle  荒和祓【03760-03842:八十三首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十  Section  秋部一  Subtitle  立秋【03843-03885:四十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  初秋【03886-03935:五十首】  【西行歌無し】  Subtitle  殘暑【03936-03942:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  七夕【03943-04089:百四十七首】  0086:03995  家集七夕を                西行上人                    〔く1〕 天の河けふの七日はなかき夜のためしにもひきいみも志つへし  0087:04045  家集七夕歌中                西行上人              〔む1〕 いそきおきて庭の小草の露ふまんやさしきかすにひとや思ふと  Book  夫木和歌抄卷第十一  Section  秋部二  Subtitle  萩【04090-04225:百三十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  女郎花【04226-04320:九十五首】  0088:04284  家集池邊女郎花と云事を                西行上人 池の面にかけをさやかにうつしもて水かゝみみるをみなへし哉  0089:04285  女郎花を                同 大方の野への露には志をるれとわかなみたなきをみなへしかな  0090:04286  月前女郎花                同 月の色をはなにかさねて女郎花うはものえたにつゆをかけたる  0091:04287  女郎花                同               〔はむ1〕 をみなへしいろめく野邊にふれはへん袂に露やこほれかゝると  Subtitle  薄【04321-04443:百二十三首】  0092:04362  家集秋歌中                西行上人 いと薄ぬはれて志かのふすのへにほころひやすきふちはかま哉  0093:04370  家集                西行上人 みまくさにはらのゝ薄かりにきて志かのふしとをみおきつる哉  0094:04371 おしなへてなひくをはなのほなりけり月のいてつるみねの白雲  0095:04424  家集八年月前薄                西行上人 はな薄月のひかりにまかはましふかきまそほのいろにそめすは  Subtitle  刈萱【04444-04456:十三首】  0096:04449  家集秋歌中                西行上人 秋風にほすゑなみよるかるかやのした葉にむしの聲みたるなり  Subtitle  荻【04457-04500:四十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  蘭【04501-04525:二十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  草香【04526-04530:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋花【04531-04557:二十七首】  0097:04554  題不知                西行上人 うつりゆくことをは志らすことのはの名さへあたなる露草の花  Subtitle  槿花【04558-04576:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋野【04577-04585:九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十二  Section  秋部三  Subtitle  鹿【04586-04862:二百七十七首】  0098:04661  人を尋てをのにまかりたりけるに鹿の鳴ければ                西行上人 志かのねをきくにつけてもすむ人の心志らるゝをのゝやまさと  0099:04708  曉鹿といふことを                西行上人                           〔む1〕 夜を殘すねさめに聞そあはれなる夢のゝ志かもかくやなくらん  0100:04860:玉葉秋  家集                西行上人 志かのねをかきねにこめてきくのみか月もすみけり秋のやま里  Subtitle  雁【04863-04985:百二十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋田【04986-05072:八十七首】  0101:04996:山家上  田のうへの月                西行上人                〔ふ1〕 夕露のたましく小田のいなむしろかへすほすゑに月そやとれる  Subtitle  稻妻【05073-05082:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  稻負鳥【05083-05091:九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十三  Section  秋部四  Subtitle  月【05092-05321:二百三十首】  0102:05101  家集初秋月                西行上人                〔け1〕  〔わ1〕 秋たつとおもふに空もたゝならてわれてひかりをはけむ三日月  0103:05173  家集月蝕を題にて歌よみけるに                西行上人 いむといひて影にあたらぬ今夜しもわれて月みる名や立ぬらむ  0104:05194:玉秋下  家集月歌中                西行上人 月さゆる明石のせとに風ふけはこほりのうへにたゝむ志らなみ  0105:05195                同 池にすむ月にかゝれるうき雲ははらひのこせるみさひなりけり  0106:05215:山家集上  月                西行上人 くまもなき月のおもてにとふ鴈のかけを雲かとおもひけるかな  0107:05216                同 なにはかた月のひかりに浦さえて波のおもてにこほりをそしく  0108:05217:玉秋下                同 つきすめは谷にそ雲は志つみけるみねふきはらふ風に志かれて  0109:05218:山家集下                同                      〔あさひこの玉6山家〕                     〔り1イ〕 ひかりをは曇らぬ月そみかきけるいな葉にかゝるあまるこの玉  0110:05219:(同)                同                     〔さくさみ4〕 みをよとむあまの川きしなみ立て月をはみるやさゝなみのかみ  0111:05220                同                         〔した2イ〕 浮よとて月すますなる事もあらはいかにかすへきあめのまし人  0112:05221                同 こさふかは曇りもそするみちのくのえそにはみせし秋のよの月 【05298-05299底本脱。】  0113:05299【05298-05299底本脱。日文研データにて補う。】 あきのよのつきをゆきかとまかふれはつゆもあられのここちこそすれ  0114:05307  家集                西行上人 月をみるほかにもさこそいとふらめ雲たゝこゝの空にたゝよへ  XXXX:05308  建長八年百首歌合               〔家良〕                同 つれなくてなみたおとさぬ人もあらし心みかほにすめる月かな  Subtitle  駒迎【05322-05345:二十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  霧【05346-05395:五十首】  0115:05355  霧中紅葉                西行上人                      〔やみ1〕 にしきはる秋のこすゑをみせぬかなへたつる霧の園をつくりて  Subtitle  秋風【05396-05427:三十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  【西行歌無し】  野分【05428-05438:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋雨【05439-05456:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  露【05457-05507:五十一首】  0116:05492  家集                西行上人 小篠はらすゑ葉のつゆはたまに似て石なき山をゆくこゝちする 【05499底本脱。】  Subtitle  秋夕【05508-05524:十七首】  0117:05524  家集秋歌中                西行上人 ふきわたる風にあはれをひと志めていつこもすこき秋の夕くれ  Subtitle  秋夜【05525-05532:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋雜【05533-05559:二十七首】  0118:05557  家集                西行上人 やまさとのそともの岡のたかき木にすゝろかなしき秋蝉のこゑ  Book  夫木和歌抄卷第十四  Section  秋部五  Subtitle  蟲【05560-05636:七十七首】  0119:05570  田家蟲といふことを                西行上人                           〔む1〕 こはきさく山たのくろのむしの音にいほもる人や袖ぬらすらん  0120:05595  家集月前蟲                西行上人 つゆなからこほさてをらむ月かけにこはきか枝の松むしのこゑ  0121:05617  雨のうちの蟲                西行上人 壁におふる小草にわふるきり/\す志くるゝ庭の露いとふへし  Subtitle  小鷹狩【05637-05650:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  鶉【05651-05695:四十五首】  0122:05683  家集                西行上人           〔おもひ1〕 うつらなく刈田のひつち生いてゝほのかにてらす三日月のかけ  Subtitle  鴫【05696-05722:二十七首】  0123:05708  百首歌戀                西行上人 くさふかみさはにぬはれてふすしきのいかによそたつ人の心そ  Subtitle  擣衣【05723-05807:八十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  秋霜【05808-05827:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  葛【05828-05868:四十一首】  0124:05844  家集                西行上人 すかるふすこくれかたにのくすまきをふきうらかへす秋の夕風  Subtitle  菊【05869-05997:百二十九首】  0125:05908  家集九月十三夜に                西行上人 こよひはと心えかほにすむつきのひかりもてなすきくの白つゆ  0126:05919  家集月を                西行上人          〔む1〕 いく秋にわかあひぬらんなか月のこゝぬかにつむやへの白きく  Subtitle  秋水【05998-6000:三首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十五  Section  秋部六  Subtitle  秋山【06001-06020:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  蔦【06021-06040:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  柞【06041-06063:二十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  櫨【06064-06070:七首】  0127:06070  家集高野にすみける時寂然法師すみける大原へつかはしける                西行上人 山ふかみまとのつれ/\とふ物はいろつきそむるはしのたち枝  Subtitle  檀【06071-06081:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  薜【06082-06084:三首】  0128:06082  かつらきの山をすきけるにまさきのもみちをみて                西行上人 かつらきやまさきの色は秋にしてよその木すゑは青葉なるかな  Subtitle  桐【06085-06088:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  紅葉【06089-06283:百九十五首】  0129:06217  家集                西行上人 名とり川きしのもみちのうつるかけはおなし錦を底にさへしく  0130:06237  紅葉未遍                   〔そおる3〕  〔る1〕 いとか山志くれに色をそめさせてかつ/\おれるにしき也けり  Subtitle  暮秋【06284-06314:三十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  九月盡【06315-06335:二十一首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十六  Section  冬部一  Subtitle  初冬【06336-06365:三十首】  【西行歌無し】  Subtitle  時雨【06366-06419:五十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  落葉【06420-06503:八十四首】  0131:06427  家集落葉を                西行上人 嵐ふく庭の木のはのをしきかなまことのちりになりぬと思へは  Subtitle  殘菊【06504-06525:二十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  神無月【06526-06535:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  冬擣衣【06536-06538:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  冬霧【06539-06546:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  枯野【06547-06560:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  霜【06561-06592:三十二首】  0132:06564  家集                西行上人 あはれ見えし袖の露をはむすひかへて霜に志み行く冬枯の野へ  此歌はあさからず契ありける人のみまかりにける跡のをとこ  心の色かはりて昔にもとほざかるやうにきこえけり故郷にま  かりたりけるに庭の霜を見てよみけると云々  Subtitle  寒草【06593-06624:三十二首】  0133:06597:家集  家集冬歌中                西行上人 たまかけし玉のかつらもおとろへて霜をいたゝくをみなへし哉  0134:06619  家集野のわたりのかれたる草                西行上人 霜かれてもろく碎くるをきの葉をあらくわくなる風のおとかな  Subtitle  冬風【06625-06637:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  冬月【06638-06661:二十四首】  0135:06649  家集冬月と云ことを                西行上人 冬かれのすさましけなる山さとに月のすむこそあはれなりけれ  Subtitle  冬雨【06662-06667:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  冬夜【06668-06672:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  衾【06673-06691:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  網代【06692-06722:三十一首】  0136:06720  家集にちる葉あしろにとどまる                西行上人 もみちよる網代のぬのゝ色とめてひをくゝりとはみゆる成けり  Subtitle  冬雜【06723-06731:九首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十七  Section  冬部二  Subtitle  千鳥【06732-06930:百九十九首】  0137:06881  家集冬十首歌中                西行上人 さえわたる志ほ風いかに寒からん千鳥むれゐるゆふさきのうら  Subtitle  水鳥【06931-07044:百十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  氷【07045-07104:六十首】  XXXX:07050:【底本脱】  0138:07053  こほりの河の水をむすぶといふことを                西行上人 かはわたにおの/\つくるふし志はをひとつにくさる朝氷かな  Subtitle  霰【07105-07132:二十八首】  0139:07113  さくらの花にあられのはしりけるをみて                西行上人 たゝはおちて枝をつたへる霰かなつほめる花のちるこゝちして  0140:07125  家集                西行上人 竹のおとのわきて枕にさゆるかな風にあられのくせられにけり  Subtitle  霙【07133-07143:十一首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十八  Section  冬部三  Subtitle  雪【07144-07353:二百十首】  0141:07157  家集                西行上人 たゆみつゝそりのはやをもつけなくに積りにけりなこしの白雪  0142:07188  隔里見雪と云ことを                西行上人 志のむらやみかみのたけを見わたせは一夜の程に雪のつもれる  0143:07189  雪のあさりゃうせんと云所にて                同 たけのほるあさ日のかけのさすまゝに都の雪はきえみきえすみ  0144:07230  家集                西行上人 かれはつるかやかうは葉に降雪はさらに尾花のこゝちこそすれ  0145:07231                同 うらかへすをみのころもとみゆるかな竹の葉わけにふれる白雪  0146:07297  雪歌中                西行上人  〔つ1〕 雪とくる志みゝに志たくかさゝきの道ゆきにくきあしからの山  Subtitle  野行幸【07354-07362:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  鷹狩【07363-07435:七十三首】  0147:07412  家集鷹狩を                西行上人 あはせつるこゐのはし鷹をきとらしいぬかひ人のこゑ志きる也  Subtitle  豐明節會【07436-07461:二十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  賀茂臨時祭【07462-07467:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  神樂【07468-07538:七十一首】  0148:07513  家集                西行上人 神人の庭火すゝむる御かけにはまさ木のかつらくりかへせとや  Subtitle  冬梅【07539-07546:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  炭竈【07547-07574:二十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  佛名【07575-07590:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  爐火【07591-07599:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  歳暮【07600-07659:六十首】  【西行歌無し】  Book  夫木和歌抄卷第十九  Section  雜部一  Subtitle  天象【07660-07675:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  日【07676-07683:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  星【07684-07716:三十三首】  XXXX:07693:【底本脱】  【西行歌無し】  Subtitle  風【07717-07805:八十九首】  0149:07721  家集寄落葉戀                西行上人 あさことにこゑをとかむる風の音はよそへてかへるひとの心か  此歌謙徳公例ならぬ事有ける後女のもとへ遣ける御返事  XXXX:07754:【底本脱】  0150:07780                西行上人  家集ゆふ下風 夏やまのゆふしたかせのいつのまにおと吹かへて秋の來ぬらむ  Subtitle  雷【07806-07813:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  雲【07814-7872:五十九首】  0151:07829  家集雜歌中                西行上人 山もなきうみのおもてにたなひきてなみのはなにもまかふ白雲  XXXX:07860:【底本脱】  Subtitle  雨【07873-07901:二十九首】  0152:07899  花待雨不開                西行上人      〔く1〕                 〔む1〕 春はきておそき櫻のこすゑかなあめのあしまつ花にやあるらん  Subtitle  渧【07902-07906:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  虹【07907-07910:四首】  0153:07907  高野に參ける時かつらき山に虹の立ければ                西行上人 さらにまたそり橋わたす心ちしてをふさかゝれるかつらきの山  Subtitle  火【07911-07950:四十首】  XXXX:07928:【底本脱】  0154:07941  家集霞似煙                西行上人 はなの火を櫻か枝にたきつけてけふりとなれるあさかすみかな  Subtitle  煙【07951-07988:三十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  塵【07989-08001:十三首】  0155:07995  家集述懷                西行上人 曇なきかゝみの上にゐるちりをめにたてゝみる世とおもはゝや  Subtitle  曉【08002-08011:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  朝【08012-08022:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  晝【08023-08030:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  夕【08031-08044:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  夜【08045-08049:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  東【08050-08052:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  西【08053-08055:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  南【08056-08060:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  北【08061-08063:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  巽【08064:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  乾【08065-08066:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  坤【8067:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  艮【8068:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  彼岸【08069-08073:五首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十  Section  雜部二  Subtitle  山【08074-08981:九百八首】  0156:08098  槇のすそ山家集中                西行上人                           〔む1〕 河あひのまきのすそ山いしたてゝそま人いかにすゝしかるらん  0157:08184  家集松上殘雪                西行上人               〔む1〕 はこねやま木すゑもまたや冬ならんふたみは松の雪のむらきえ  0158:08194  はなその山(花園、山城又大和參河)家集                西行上人 時雨そむる花園やまにあきくれてにしきのいろをあらたむる哉  0159:08196  はらのをか山(狩場暮名所)家集                西行上人            〔むらとも2〕        〔む1〕 あさかへるかりいそなこの村鳥ははらのをか山こえやしぬらん  0160:08299  家集                西行上人         〔む1〕        〔し1〕 萬代のためしにひかんかめやまのすそのゝ原に志けるこまつを  0161:08334  家集                西行上人               〔ん1〕 まさきわるひものたくみや出ぬらむ村雨はれぬかさとりのやま  0162:08439  百首歌                西行 朝かせにみなとをいつるとも船はたかしの山のもみちなりけり  0163:08561  老人見花と云ことを                西行上人        〔む1〕 なかむ/\ちりなんことを君も思へくろかみ山に花さきにけり  XXXX:08568:【底本脱】  0164:08572  くま山(紀伊)               【西行上人】                後鳥羽院御製                〔む1〕 ふもとゆくふなひといかにさむからんくま山たけをおろす嵐に  0165:08676  こしのなか山家集                西行上人     〔し1〕      〔む1〕 ねわたしに志るしの棹やたてつらんこひき待つるこしのなか山  0166:08677  霞中歸雁と云事を                同              〔む1〕 かりかねは歸る道にやまよふらんこしのなか山かすみへたてゝ  0167:08705  あきしの山(秋篠、大和)家集冬歌中                西行上人      〔し1〕 初雪はふゆの志るしにふりにけりあきしの山のすきのこすゑに  0168:08743  あらしの山(山城)家集                西行上人 いつか又めくりあふへきのりのわのあらしの山を君しいてなは  0169:08752  あをね山(青根、大和)家集                西行上人 青ねやまこけのむしろの上にしてゆきはしとねの心ちこそすれ  0170:08753  あひの中山                同   〔ね1〕 あつまちのあひの中山ほとせはみ心のおくのみえはこそあらめ  XXXX:08768:【底本脱】  XXXX:08842:【底本脱】  0171:08889  みすの山(紀伊)家集くまのへまゐりけるにやかみの王子の御まへにて                西行上人 まちきつるやかみの櫻さきにけりあらくおろすなみすの山かせ  0172:08924  志この山(紀伊)家集                西行上人   〔し1〕 雲鳥や志この山ちはさておきてをくちかはらのさひしからぬか  XXXX:08935:【底本脱】 Book  夫木和歌抄卷第二十一  Section  雜部三  Subtitle  洞【08982-08994:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  杣【08995-09030:三十六首】  0173:08998  家集                西行法師 河あひのまきのすそ山いしたてゝそま人いかにすゝしかるらむ  0174:09023  家集中(いふきのそま)                西行法師 杣くたすいふきかおくの河上にたつきうつらしこけさなみよる  Subtitle  嶺【09031-09068:三十八首】  0175:09052  家集(をのへのみね、高砂)                西行法師 浪に志く月のひかりをたかさこのをのへのみねの空よりそみる  0176:09067  家集有ぐれの山路(たはらのみね)                西行法師 夕くれやたはらの峯をこえゆけはすこくきこゆる山はとのこゑ  0177:09068  あつまやといふ所にて時雨のゝち                同 神無月志くれはるれはあつまやのみねにそ月はむねとすみける  Subtitle  根【09069-09087:十九首】  0178:09076:家上  月照瀧水(なちのたかね、紀伊)                西行上人 雲きゆるなちのたかねに月たけてひかりをぬけるたきの志ら糸  Subtitle  嵩【09088-09104:十七首】  0179:09098  大峯のちくさのたけにて(紀伊)                西行上人 わけて行いろのみならすこすゑさへちくさのたけは心そみけり  Subtitle  谷【09105-09128:二十四首】  0180:09119  家集花                西行上人 やま櫻ちらぬまてこそをしみつれふもとへなかせたにかはの水  Subtitle  岡【09129-09228:百首】  【西行歌無し】  Subtitle  坂【09229-09258:三十首】  【西行歌無し】  Subtitle  隈【09258-09272:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  路【09273-09348:七十六首】  XXXX:09280:【底本脱】  XXXX:09292:【底本脱】  0181:09311  家集のぢと云所にて(のぢのほそ道)                西行上人 をらてゆく袖にも露はかゝりけりはきのみ志けきのちのほそ道  0182:09314  戀百首歌中(ほきにかけ道)                西行上人   〔さ1〕 あやふきに人めそ常によかれけるいはのかけふむほきのかけ道  0183:09315  家集雜歌中(あぜのほそみち) わつらはて月にはよはも通ひけりとなりへつたふあせのほそ道  Subtitle  橋【09349-09506:百五十八首】  0184:09354  家集                西行上人 ことゝなき君こひわたるはしの上にあらそふものは月の影のみ  0185:09452  家集                西行上人 ふまゝうきもみちの錦ちり志きて人もかよはぬおもはくのはし  此歌は志のぶの里よりおくへ一日二日ばかり入てふりたる橋  あり人にとへばおもはくのはしと云もみぢありと云々  0186:09485  家集五月雨歌中                西行上人                           〔む1〕 五月雨にさのゝ舟はしうきぬれはのりてそ人はさしわたるらん  Subtitle  關【09507-09610:百四首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十二  Section  雜部四  Subtitle  野【09611-09844:二百三十四首】  0187:09614  家集                西行上人                 〔か1〕 さと人のおほぬさこぬさ立なめてうまはたむすふのへに成ぬる  0188:09688  家集(よこの、横、近江又上野河内)                西行上人                          〔な1〕 菫さくよこのゝつはなおひぬれはおもひ/\にひとかよふめり  0189:09808  家集                西行上人 つはなぬく北野の志はふあせゆけは心すみれそさきかはりける  Subtitle  原【09845-09965:百二十一首】  0190:09848  家集秋月を(すそのゝはら)                西行上人 秋のよの月のひかりのかけふけてすそのゝ原にをしかなくなり  0191:09869 かれのうつむ ゆきにこころを まかすれは かたちのはらに ききすなくなり  Subtitle  林【09966-09980:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  森【09981-10102:百二十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  牧【10103-10118:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  田【10119-10172:五十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  畠【10173-10174:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  園【10175-10181:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  畑【10182-10188:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  巖【10189-10199:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  石【10200-10238:三十九首】  0192:10216  家集                西行上人   〔は1〕 ぬなは延ふいけに志つめるたて石のたてたることもなき汀かな  Subtitle  細砂【10239-10241:三首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十三  Section  雜部五  Subtitle  海【10242-10394:百五十三首】  0193:10323  我見不知人戀                西行上人 よこのうみの君をみしまに引網の目にもかゝらぬあちのむら鳥  0194:10391  百首歌                西行上人              〔む1〕 とちそむる氷をいかにいとふらんあちむら渡るすはのみつうみ  Subtitle  湖【10395-10410:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  島【10411-10599:百八十九首】  0195:10432  家集(伊勢)                西行上人                           〔む1〕 なみにしく紅葉の色をあらふ故ににしきの島といふにや有らん  0196:10551  家集                西行上人 いたけもるあま見る時に成にけりえそか千島をけふりこめたり  0197:10597  家集(越後又紀伊)                西行上人 からすさきのはまの碁石と思かな志ろもましらぬすか島のくろ  0198:10598                 〔ふ1〕 あはせはや鷺とからすと碁をうたはたえしすか島くろしろの濱  Subtitle  澳【10600-10628:二十九首】  0199:10603  家集御歌中                西行上人                           〔む1〕 いそにをる浪の間志けくみゆる哉沖になころやたかくゆるらん  0200:10607  家集月歌中                西行上人                           〔む1〕 はりまかたなたのみ奧にこき出てあたりおもはぬ月をなかめん  0201:10621  家集志らせてくやしむ戀                西行上人 わか戀はみしまか沖にこきいてゝなころわつらふ海士のつり舟  0202:10626  家集                西行上人                       〔む1〕 浪たかきあしやの沖をかくる舟のことなくて世を過んとそ思ふ  Subtitle  江【10629-10723:九十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  池【10724-10807:八十四首】  0203:10789  戀歌中                西行上人                           〔む1〕 よしさらは涙のいけに身をなしてこゝろのまゝに月をやとさん Book  夫木和歌抄卷第二十四  Section  雜部六  Subtitle  河【10871-11335:四百六十五首】  0204:10874  初おろそかにて末増戀                西行上人 わか戀はほそたに川のみつなれやすゑにいはわる音きこゆなり  0205:11047  家集(なとり川、山城)                西行上人 いはくらや八しほそめたる紅葉はを長たに川におしひたしたる  0206:11153  家集くまの御やまにて兩人をこふといふ事をよみける(ふた川、未國)                西行上人 流れてはいつれのせにかとまるへき涙をわくるふたかはのせき  0207:11161  松近汀といふ事(衣川、陸奧)                西行上人 衣川みきはによりてたつなみはきしのまつかねあらふなりけり  0208:11295  家集五月雨                西行上人 みなせ河をちのかよひち水みちてふなわたりする五月雨のころ  XXXX:11313                崇徳院 もかみ河つなてひくともいな舟の志はしか程はいかりおろさむ  此歌は西行上人ゆかりなる人のあやまちありてまゐらざりけ  るをゆるし給ふべきよしそうして侍ければよませ給けると云  云  0209:11314  御返事                西行上人 つよくひく綱手と見せよもかみ川そのいな舟のいかりおろさて  かくそうして侍ければ程なく御ゆるし有けると云々  Subtitle  淵【11336-11341:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  瀬【11342-11351:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  沼【11352-11392:四十一首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十五  Section  雜部七  Subtitle  浦【11393-11717:三百二十五首】 XXXX:11461【日文研データ重複11459】  0210:11530  家集月歌中(なにはえのうら、攝津)                西行上人      〔ひ1〕 千鳥なくふけゐのかたを見渡せは月かけさひしなにはえのうら  0211:11531                同 露のほるあしの若葉に月さえてあきをあらそふなにはえのうら  0212:11593:伊勢  家集                西行上人 いまそしる二見の浦のはまくりを貝あはせとておほふなりけり  0213:11602  家集(ころものうら、三河)                西行上人 なみあらふころもの浦のそて貝をみきはに風のたゝみおくかな  0214:11654  家集                西行上人 風ふけは花さくなみのをるたひにさくらかひよる三島江のうら  0215:11708  家集(ゑしまのうら、淡路)                西行上人 千鳥なく繪島のうらにすむ月をなみにうつして見るこひよかな  Subtitle  鹽竈【11718-11728:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  濱【11729-11875:百四十七首】  0216:11775  家集(そとのはま、陸奧)                西行上人 みちのくのおくゆかしくそ思ほゆる壺の石ふみそとのはまかせ  Subtitle  湊【11875-11926:五十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  潟【11927-11984:五十八首】  0217:11953  家集月歌中(きよみがた、駿河)                西行上人 きよみかたおきのいはこす志ら浪にひかりをかはす秋の夜の月  Subtitle  泊【11985-12006:二十二首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十六  Section  雜部八  Subtitle  津【12007-12036:三十首】  【西行歌無し】  Subtitle  磯【12037-12086:五十首】  【西行歌無し】  Subtitle  崎【12087-12192:百六首】  0218:12091  家集                西行上人 波もなしいらこか崎にこき出てわれからつけるわかめかれあま  0219:12092         〔り1〕 いらこ崎にかつをつる舟ならひ浮てはかけの波に浮ひてそよる  0220:12130  家集よろづの事歌よみけるに                西行上人 さかろおすたていし崎の白波はあらき志ほにもかゝりけるかな  Subtitle  迫門【12193-12208:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  渡【12209-12264:五十六首】  0221:12231:萬代                西行上人 霧深きこかのわたりのわたしもりきしのふなつき思ひさためよ  此歌はむさしの國と下づけのくにとの中にあるこがの渡りす  とてきりふかゝりければよめりと云々  Subtitle  岸【12265-12291:二十七首】  0222:12275  家集(みもすそのきし、伊勢)                西行上人 はつ春をくまなくてらす影をみてつきにまつ志るみもすその岸  0223:12279  家集(住よしのきし、攝津)                西行上人 波にやとる月をみきはにゆりよせてかゝみにかくる住吉のきし  Subtitle  洲【12292-12301:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  淀【12302-12308:七首】  0224:12302:現存六  家集(おほ井のよど)                西行上人           〔月1イ〕 夜もすからあらしの山に風さえて大井のよとにこほりをそしく  Subtitle  瀧【12309-12389:八十一首】  0225:12383  同【家集】(三重の瀧、紀伊)                西行上人 身につもることはのつみもあらはれて心すみぬるみかさねの瀧  此歌家集云なちに詣侍ける時三重の瀧をおがみけるにことに  たうとく覺て三業の罪もすゝがるゝ心ちしければと云々  Subtitle  澤【12390-12414:二十五首】  0226:12410  百首歌                西行上人 五月雨ははら野の澤にみつみちていつくみかはのぬまの八はし  Subtitle  井【12415-12482:六十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  温泉【12483-12498:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  水【12499-12557:五十九首】  0227:12515  月をいたゞきてみちを行と云心を(いたゝく水)                西行上人              〔か1〕 くみてこそ心すむらめ志つのめはいたゝくみつにやとる月かけ  0228:12530:續後撰旅  家集                西行上人 むかしみし野中の清水かはらねはわかゝけをもや思ひいつらむ  此歌は播磨の書寫へまゐるとて野中を見侍し事一むかしとな  りて後修行すとてとほり侍しに同さまにてかはらざりしかば  よめりけると云々  0229:12531  題不知(さゝれ水)                同 そこすみて波こまかなるさゝれ水わたりやられぬ山かはのかけ Book  夫木和歌抄卷第二十七  Section  雜部九 動物部  Subtitle  鳥【12558-12578:二十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鶴【12579-12661:八十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  鸚鵡【12661:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鷲【12662-12669:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  鵜【12670-12679:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  鷺【12680-12701:二十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  鵲【12702-12710:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  烏【12711-12727:十七首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【義+鳥:やまとり】【12728-12743:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  鷄【12744-12765:二十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  鷹【12766-12793:二十八首】  0230:12788  家集                西行上人      〔いら2〕             〔かへり3イ〕 すたかわたるはゝこか崎をうたかひて猶木にかへる山からす哉  Subtitle  木兎【12794-12795:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  梟【12796-12797:二首】  0231:12796  寂然が本へつかはしける十五首                西行上人 山ふかみけちかき取の音はせてものおそろしきふくろふのこゑ  Subtitle  〓【(雎−隹)+鳥:みさご:鶚】【12798-12804:七首】  0232:12803  御集雜歌中                西行上人 あら磯の浪にそなれてはふ松はみさこのゐるそたよりなりける  Subtitle  〓【區+鳥:かもめ:鴎】【12805-12815:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鳰【12816-12829:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  鳩【12830-12837:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  鵯【12838-12840:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【女+民+鳥:はしばみ】【12841:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  放鳥【12842-12845:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【空+鳥:ぬえ:鵺】【12846-12848:三首】  0233:12847                西行上人 さらぬたに世のはかなさを思ふみにぬえなきわたる明ほのゝ空  Subtitle  都鳥【12849-12858:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  百舌鳥【12859-12868:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  鵐【12869-12871:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  鵤【12872:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  雀【12873-12882:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  山稜鳥【12883-12884:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  小稜鳥【12885-12889:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  四十唐【12890:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【晏+鳥:かやくき】【12891:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  庭叩【12892-12893:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【客+鳥:ぬか】【12894:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  増子鳥【12895-12897:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  火燒【12898-12899:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  松〓【くさかんむり/毛:むしる】【まつむしり】【12900:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  都々鳥【12901:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  水乞鳥【12902-12905:四首】  0234:12904  家集山家歌中                西行上人 やま里はたにのかけひのたえ/\にみつこひとりの聲きこゆ也  Subtitle  箱鳥【12906-12910:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  佛法僧【12911-12914:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  龍【12915:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【虫+L:たつ】【12916-12917:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  虎【12918-12927:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  熊【12928-12935:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  猪【12936-12947:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  牛【12948-12963:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  馬【12964-13009:四十六首】  0235:12974  家集さがに住けるにたはぶれうた人々よみけるに                西行上人 竹馬をつゑにも今日は頼むかなわらはあそひをおもひいてつゝ  Subtitle  犀【13010:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  猿【13011-13026:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  野干(キツネ)【13027-13032:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  犬【13033-13038:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  兎【13039-13042:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  猫【13043-13045:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  狢(タヌキ)【13046:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鼠【13047-13054:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓(ムサヽビ)【けものへん+比:】【13055-13061:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  龜【13062-13073:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  貝【13074-13107:三十四首】  0236:13085  さくらがひ内裏のかひあはせに人にかはりて                西行上人   〔は1〕 ふく風にはなさくなみのをるたひに櫻かひよるみしまえのうら  0237:13086  同こがひ                同       〔は1〕   〔む1〕 難波かた志ほひにむれて出たゝん志らすのさきのこ貝ひろひに  0238:13087  そて貝                同 浪あらふころものうらの袖かひを志ほひに風のたゝみおくかな  0239:13088  すたれ貝                同                           〔む1〕 浪かくるふきあけの濱のすたれ貝風もそおろすいそきひろはん  0240:13089  すゝめ貝                同 なみよする4〕 波による竹のとまりのすゝめ貝うれしき世にもあひにけるかな  0241:13090  からすがひ                同 浪よする志らゝのはまのからす貝ひろひやすくも思ほゆるかな  0242:13103                  〔そ1イ〕 内裏のかひあはせの歌に人にかはりてますほのかひ                西行上人     〔そ1イ〕            〔に1イ〕〔む1〕 潮そむるますほの小貝ひろふとて色の濱とはいふとやあるらん  Subtitle  蝸牛【13108-13110:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  蜻蛉【13111-13120:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  蛛【13121-13134:十四首】  0243:13131  百首うた                西行上人 天の河なかれてくたる雨をうけてたまのあみはるさゝかにの糸  Subtitle  蝶【13135-13141:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  蝙蝠【13142-13143:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  蓑蟲【13144-13151:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  守宮【13152-13155:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  海月【13156:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  海老【13157:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  蟹【13158-13159:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  魚【13160-13168:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  鯉【13169-13173:五首】  0244:13172  家集                西行上人           〔ふ1〕 宇治河の早瀬おちまふれうふねのかつきにちかふ鯉のむらまけ  Subtitle  鮒【13174-13177:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  鮎【13178-13186:九首】  0245:13180  家集中に                西行上人    〔に1〕         〔う1〕 志らなはゝ小鮎引れて下る瀬にもちまふけたるこめのしきあみ  Subtitle  〓【魚+(北/車)はえ:】【13187-13188:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【魚+(兇/夂)】【13189:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鯛【13190-13197:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  鱸【13198-13210:十三首】  0246:13203  家集中                西行上人 秋風にすゝきつる船はしるめりうのひとはしのなこり志たひて Book  夫木和歌抄卷第二十八  Section  雜歌十  Subtitle  草【13211-13222:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  竹【13223-13276:五十四首】  0247:13264  家集雜歌中                西行上人 われなれや風をわつらふ志のたけはおきふしものゝ心ほそくて  Subtitle  篠【13277-13306:三十首】  【西行歌無し】  Subtitle 〔菖カ〕  葛 草木雖未勘暫就草字草部入之【13307-13311:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  苔【13312-13330:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  日陰草【13331-13337:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  山橘【13338-13343:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  淺茅【13344-13370:二十七首】  【西行歌無し】  Subtitle  茅花【13371-13377:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  蘰【13378-13391:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  鞭草【13392-13405:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  蘆【13406-13446:四十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  海松【13447-13453:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  藻【13454-13468:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  菰【13469-13481:十三首】  0248:13481  家集みつ河にて                西行上人 刈のこすみつのまこもにかくろへてかけもちかほになく蛙かな  Subtitle  蓬【13482-13494:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  思草【13495-13503:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  忍草【13504:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  忘草【13505-13508:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  百代草【13509-13510:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  白慈草【13511-13512:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  爾古草【13513-13514:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  朮【うけら・おけら】【13515-13517:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  菅【13518-13555:三十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  萱【13556-13563:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  濱木綿【13564-13568:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  小々妻【13569-13570:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  藍【13571-13573:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  紅【13574-13576:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  紫【13577-13584:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  麻【13585-13591:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  萍【13592-13593:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  淺砂【13594-13596:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  蓼【13597-13606:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  芹【13607-13609:三首】  0249:13609  家集戀百首中                西行上人 かつすゝく澤のこせりのねを志ろみきよけに物を思はするかな  Subtitle  水葱【13610-13613:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  母子草【13614:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  駒繋【13615:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  犬子草【13616:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  土筆【13617:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  折敷草【13618:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  鐘草【13619:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  莞草【13620:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  射干【13621:一首】  0250:13621  家集草歌                西行上人  〔の1イ〕        〔ら1〕        〔む1〕 蓬生はさることあれや庭の面にかくすあふきのなと志けるらん  Subtitle  莎草【13622-13623:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  芝【13624-13634:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  山菅〔ちさ〕【13635:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  目覺草【13636:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  夕陰草【13637:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  指燒草【13638-13641:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  葎【13642-13645:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  手向草【13646-13647:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  芭蕉【13648-13651:四首】  0251:13649  家集                西行上人               〔れは2〕 風ふけはあたにやれ行芭蕉葉のあはれと身をもたのむへき世か  Subtitle  莫鳴菜【なのりそ】【13652-13656:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  若布【13657-13660:四首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第二十九  Section  雜十一  Subtitle  木【13661-13692:三十二首】  0252:13684 のにたてる えたなききにも おとりけり のちのよしらぬ ひとのこころは  Subtitle  松【13693-13833:百四十一首】  0253:13713  家集                西行上人    〔と1イ〕 おいゆけは末なき身こそかなしけれかた山はたの松のかさをれ  0254:13734  家集祝歌中                西行上人                           〔む1〕 わか葉さすひらのゝ松は更にまたえたにやちよのかすそ添らん  0255:13774:玉雜一                西行上人 松かねのいはたのきしの夕すゝみきみかあれなと思ほゆるかな  此歌は夏熊野へまゐりける時いはたと云所にてすゝみて京な  る西住がもとへつかはしけると云々  0256:13788  月歌中                西行上人 難波江のきしにそなれてはま松をおとせてあらふ月の志らなみ  Subtitle  椿【13834-13851:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  栢【13852-13857:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  桂【13858-13870:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  楸【13871-13883:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  枝保持【13884:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  槇【13885-13902:十八首】  Subtitle  杉【13903-13924:二十二首】  【西行歌無し】  0257:13920  太神宮卅六番歌合                西行上人 よろつよを山田の原のあやすきに風志きたてゝこゑよはふなり  Subtitle  檜【13925-13940:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  梨【13941-13951:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  李【13952-13955:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  杏【13956-13958:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  柏【13959-13985:二十七首】  0258:13966  秋歌中                西行上人 いはれのゝ萩かたえまのひま/\にこのてかしはの花咲にけり  Subtitle  楢【13986-13991:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  椎【13992-14007:十六首】  0259:13999  家集戀の歌中                西行上人             〔む1〕 ときは山椎のした柴かりすてんかくれておもふかひのなきかと  Subtitle  栗【14008-14015:八首】  XXXX:14008  西行上人高野よりといひて侍りける返歌中(さゝくり)                寂然 山風にみねのさゝくりはら/\と庭におちゝるおほはらのさと  【西行歌無し】  Subtitle  槻【14016-14018:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  枌【14019-14027:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  令法【14028-14032:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  樒【14033-14039:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【木+思】【14040-14046:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  妻摩〔妻間々〕【14047-14049:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  合歡木【14050-14054:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  胡桃【14055-14056:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  樫【14057-14065:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  櫟【14066:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  猿滑【14067:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【木+唐】【14068:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  樛【14069:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  漆【14070:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  もちゐの木【14071:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  つけ【14072:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  こふし【14073:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  ひいらき【14074:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  そはの木【14075:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  ねすもち【14076:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  こめ/\【14077:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  うはめの木【14078:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  ねふの木【14079:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  すろ【14080:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  めつら【14081:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【木+賈】【14082:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  柿【14083-14086:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  桑【14087-14093:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  あせみ【14094:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  逸師【14095-14097:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  樟【14098-14105:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  柴【14106-14120:十五首】  0260:14117  家集山家時雨を                西行上人   〔こ1イ〕 やとかよふはゝその柴のいろをさへ志たひてそむるむら時雨かな Book  夫木和歌抄卷第三十  Section  雜十二  Subtitle  國【14123-14157:三十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  禁中【14158-14183:二十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  仙家【14184-14193:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  都【14194-14236:四十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  故郷【14237-14265:二十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  故宮【14266-14298:三十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  閑居【14299-14313:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  窟【14314-14333:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  宅【14334-14340:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  廬【14341-14377:三十七首】  【西行歌無し】  Subtitle  屋【14378-14419:四十二首】  0261:14406  家集ある人の贈答(とまのや)                西行上人 とまの屋に浪立よらぬけしきにてあまり住憂きほとは見えにき  0262:14407  神力品如來一切秘要之藏(柴や)                同 くらふ山かこふしは屋のうちまても心をさめぬところやはある  0263:14410  家集深山霰(まきのかりや) そま人のまきのかりやのあたふしに音する物はあられなりけり  Subtitle  屋形【14420-14423:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  隣【14424-14432:九首】  0264:14428  幽谷聞鹿                西行上人 となりゐぬはたのかりやに明すよは鹿哀れなる物にそありける  Subtitle  山家【14433-14495:六十三首】  0265:14464  山里のかれたる草といふことを                西行上人 垣こめしすそのゝすゝき霜かれてさひしさまさる志はの庵かな  0266:14490  高野より寂然法師のもとへつかはしける歌中                西行上人 山深みなるゝかせきのけちかさに世を遠さかるほとそ志らるゝ  Subtitle  田家【14496-14515:二十首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第三十一  Section  雜部十三  Subtitle  郡【14516-14534:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  里【14535-14824:二百九十首】  0267:14541  隔里聞擣衣と云事を                西行上人 さよ衣いるのゝさとにうつならしとほくきこゆるつちの音かな  0268:14587  秋の比法輪寺にて                西行上人 わかものと秋のこすゑをみつるかなをくらの里に家居せしより  0269:14680  家集寂然法師すみたる大原へ遣ける                西行上人 水のおとはまくらにおつる心ちしてねさめかちなる大原のさと  0270:14718  家集                西行上人   〔すきぬ2〕 ふしみすき岡の屋になほとゝまらし日野まてゆきてこま心みむ  0271:14775  家集さくら井の里(櫻井、山城或攝津)                西行上人 こせりつむさはのこほりのひまたえてはるめきそむる櫻井の里  0272:14790  家集、みのふのさと(甲斐)                西行上人 〔しのく3〕         〔て1〕 雨すくるみのふの里のかき柴にすたちはしむるうくひすのこゑ  0273:14803  家集、志つはらの里(山城)                西行上人 山かつのすみぬとみゆるわたりかな冬にあせゆく志つはらの里  0274:14810  家集                西行上人     〔す1〕 春あさみすまのまかきに風さえてまた雪きえぬ志からきのさと  Subtitle  村【14825-14860:三十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  市【14861-14878:十八首】  【西行歌無し】  Subtitle  驛【14879-14886:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  庭【14887-14903:十七首】  0275:14899  たはふれ歌とてよみたる中に                西行上人 我もさそ庭のまさこの土あそひさておひ立るみにこそありけれ  Subtitle  樞【14904-14906:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  床【14907-14912:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  棟【14913-14914:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  窓【14915-14927:十三首】  0276:14922  家集                西行上人                       〔に1〕 おとはしていはにたはしる霰こそよもきのまとの友となりけれ  Subtitle  戸【14928-14956:二十九首】  XXXX:14951:【底本脱】  【西行歌無し】  Subtitle  門【14957-14978:二十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  墻【14979-15019:四十一首】  0277:14993  家集雪歌中                西行上人 をりならぬめくりのかきの卯花をうれしく雪のさかせつるかな  Subtitle  籬【15020-15032:十三首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第三十二  Section  雜部十四  Subtitle  御調【15033-15045:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  酒【15046-15060:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  藥【15061-15070:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  文【15071-15086:十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  硯【15087-15089:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  筆【15090-15095:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  太刀【15096-15104:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  刀【15105-15109:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  鞘【15110-15112:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  弓【15113-15129:十七首】  0278:15127  たはぶれ歌とてよみ侍りける                西行上人 志のためてすゝめ弓はるをの原はひたひ烏帽子のほしけなる哉  Subtitle  箭【15130-15141:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  行縢【15142-15145:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  沓【15146-15150:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  杖【15151-15164:十四首】  0279:15156  寄老人戀                西行上人 山ふかみ杖にすかりている人のこゝろのそこのはつかしきかな  Subtitle  鞠【15165-15168:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  蓑【15169-15178:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  笠【15179-15193:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  琴【15194-15207:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  笛【15208-15227:二十首】  【西行歌無し】  Subtitle  鼓【15228-15235:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  鐘【15236-15268:三十三首】  0280:15244  家集                西行上人 まきれつる窓のあらしにこゑとめてふくるをつくる鐘の音かな  Subtitle  卒塔婆【15269-15272:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  金【15273-15283:十一首】  0281:15280  はんれいがちやうなんの心を                西行上人 捨やらていのちをこふる人はみな千々の黄金をもてかへるなり  Subtitle  寶【15284:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  玉【15285-15330:四十六首】  0282:15293  家集                西行上人 石なこのたまのおちくる程なさにすくる月日はかはりやはする  Subtitle  鏡【15331-15359:二十九首】  0283:15340  家集                西行上人 くもりなき鏡の上にゐるちりを目にたてゝみる世とおもはゝや  Subtitle  枕【15360-15405:四十六首】  0284:15368  五月雨歌十五首歌中、たきまくら                西行上人 五月雨に山田のあせのたきまくらかすをかさねて落るなりけり  Subtitle  甃【15406-15407:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  莚【15408-15418:十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  簾【15419-15427:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  櫛【15428-15440:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  鬘【15441-15448:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  〓【竹/令】〓【竹/青】【15449-15451:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  火取【15452-15456:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  挿頭【15457-15460:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  祓麻【15461-15472:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  志折【15473-15480:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  標【15481-15494:十四首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第三十三  Section  雜部十五  Subtitle  衣【15495-15597:百三首】  XXXX:15585:【底本脱】  【西行歌無し】  Subtitle  裳【15598-15604:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  袴【15605-15607:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  袋【15608:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  紐【15609-15618:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  帶【15619-15637:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  綾【15638-15644:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  錦【15645-15656:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  布【15657-15670:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  綿【15671-15676:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  絲【15677-15687:十一首】  0285:15683  同(日吉社歌合(あさのうみ糸))                西行上人       〔と1〕 志つのめかすかくるいとに露そひて思ふにたかふ戀もするかな  Subtitle  機【15688-15693:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  斤【15694-15698:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  櫃【15699-15700:二首】  0286:15699  家集秋歌中                西行上人                           〔む1〕 錦をはいくのへこゆるからひつにをさめて秋は行にやあるらん  0287:15700  雜歌中                同 をりひつに花のくた物つみてけりよしのゝ人のみやたてにして  此歌はみやたてと申けるはしたものとしたかくなりてさまか  へなどしてゆかりにつきてよしのにすみ侍ける思ひがけぬや  うなれども苦やうをのべんれうにくだ物をかうやの山へつか  はしたりけるに花と申くだ物侍けるをみてつかはしけると云  云  Subtitle  車【15701-15732:三十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  樋【15733-15745:十三首】  0288:15738  家集(うちひ)                西行上人 〔ひ1〕 傳へくるうちひをたえすまかすれは山田は水もおよはさりけり  Subtitle  筏【15746-15765:二十首】  0289:15762  家集氷筏を閉つといふことを                西行上人 氷わるいかたのさをのたゆけれはもちやこさましほつの山こえ  Subtitle  船【15766-15865:百首】  XXXX:15769:【底本脱】  0290:15832  志らでくやしむ戀                西行上人 わか戀はみしまかおきにこき出てなころわつらふあまのつり舟  0291:15833  家集雜歌中くれ舟                同 くれ舟よあさつまわたりけさなせそいふきの嶽に雪志まくめり  0292:15834  あさづまふね                同 おほつかないふき颪のかさゝきにあさつま舟のあひや志ぬらむ  0293:15865  家集夏歌中まこもかりふね                西行上人 五月雨もをやむ晴間のなからめやみつのかさほせまこもかり舟  Subtitle  梶楫【15866-15873:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  碇【15874-15878:五首】   【西行歌無し】 Subtitle  綱【15879-15890:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  繩【15891-15900:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  緒【15901-15906:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  網【15907-15930:二十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  魚梁【15931-15941:十一首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第三十四  Section  雜部十六  Subtitle  神祇【15942-16106:百六十五首】  0294:15968:玉神祇                西行上人 かしこまる志てになみたのかゝるかな又いつかはと思ふ哀れに  この歌はそのかみよりなれけるならひに世をのがれて後も賀  茂の社に參りけるにとしたかくなりて四國の方へ修行しける  に又まゐらぬ事もやとて仁安三年十月十日の夜まゐりて幣ま  ゐらすとてたなをの社の許にて志づかに法施奉りける程に木  の間の月のほの/\にて常よりも神さび哀に覺侍ければと云  云  0295:15975  家集神祇歌                西行上人 なかれ出てみあとたれます水かきは宮河よりやわたらひのしめ  0296:16046  (やをあひの神、伊勢)                西行上人 世中をあめのみかけのうちになせあら志ほあみてやほあひの神  此歌は公卿勅使に土御門内府宰相にてたちけるをいすゞ河の  ほとりにてみてよめると云々  0297:16047  家集(松尾、山城) 玉かきはあけもみとりもうつもれて雪おも志ろきまつの尾の山  0298:16053  家集(あらがみ)                西行上人                           〔む1〕 浪につきて磯わにいます荒神は潮くむきねをまつにやあるらん  0299:16056  家集(さきたまの神、未國)                西行上人           〔ら1〕 和らくる光をはなにかさゝれて名をあらはせるさきたまのかみ  0300:16102  住吉社にて翫月                西行上人                           〔む1〕 かたそきのゆきあはぬまよりもる月の冴てみそきの霜に置らん  Subtitle  社 付 宮【16107-16160:五十四首】  0301:16114  家集(かぜの宮、伊勢)                西行上人               〔む1〕 この春ははなををしまてよそならんこゝろを風の宮にまかせて  XXXX:16116:【底本脱】  0302:16118  家集(たきのみや、伊勢)                西行上人                           〔む1〕 なみとみる花の志つえのいは枕たきのみやにやおとよとむらん  0303:16131  家集(龍除窓、うみのみや、伊勢)                西行上人 朝日さすかしまのすきに夕かけてくもらすてらせよをうみの宮  Subtitle  釋教【16161-16391:二百三十一首】  0304:16166         〔願1イ〕  論の三種菩提心行影心                西行上人 おもはすは志のふのおくへこましやはこえかたかりし白河の關  0305:16171  曼珠沙花栴檀香風                西行上人 つほむよりなへてにもにぬ花なれはこすゑにかねてかをる春風  0306:16173  同文(方便品諸佛世尊唯以一大事因縁故出現於世)                西行上人                      〔む1〕 あまの原くもふきはらふかせなくはいてゝややまん山のはの月  0307:16177  同文(其中衆生悉是吾子)                西行上人 ちもなくていはけなき身の憐みはこのゝりみてそ思ひ志らるゝ  0308:16181  是時窮子聞父此言即大歡喜得未曾有                西行上人 吉野山うれしかりける志るへかなさらてはおくの花をみましや  0309:16184  同文(我觀一切普皆平等無有彼此愛憎之心)                西行上人                           〔む1〕 ひき/\になはしろ水をわけやらてゆたかに流す末をとほさん  0310:16187  同文(於未來世得成佛)                西行上人 おそ櫻みるへかりける契りあれや花のさかりはすきにけれとも  0311:16189  我等與衆生皆共成佛道                西行上人 秋の野のくさの葉ことにおく露をあつめは蓮のいけたゝふへし  0312:16192  同文(五百弟子品内祕菩薩行外現是聲聞)                西行 いはせきてこけきる水は深けれとくまぬ人には志られさりけり  0313:16196  同文(人記品壽命無有量以愍衆生故)                西行 思ひありて盡ぬいのちのあはれみをよそのことにて過にける哉  0314:16201  一念隨喜者我亦與授阿褥多羅三藐三菩提                西行上人 夏くさのひと葉にすかる志ら露も花のうへにはたまらさりけり  0315:16202  寶塔品則爲疾得无上佛道                同 かひなくて浮ふよもなき身ならまし月のみ船のゝりなかりせは  0316:16207:明玉  髮中明珠                西行       〔さ1〕 いまそ志るたふきの玉をえしことは心をみかくたとへなりけり ×〔0317:16210〕 × XXXX:16209 × 同文(採薪及菓〓【くさかんむり/(瓜+瓜)】隨時恭敬與) ×              【西行上人】 ×              〔西行上人〕 ×               同(俊成卿) ×ねをはなれつなかぬふねを思しれは法えむことそ嬉しかるへき ×〔XXXX:16209〕 × 0317:16210 ×     〔受1イ〕 × 動持品我不愛身命但惜無上道 ×              【藤原俊成】 ×               西行上人 ×數ならはをしくやあらまし惜からぬ憂身そきけは嬉しかりける  0317:16210:【聞書集/法花經廿八品/0014】  觀持品我不愛身命但惜無上道                西行上人 ねをはなれつなかぬふねを思しれは法えむことそ嬉しかるへき  0318:16214  同(深入禪定見十方佛)                西行   〔やまに2〕 ふかきやま心の月しすみぬれはかゝみによものさとりをそみる  0319:16215  涌出品得成最正覺博無上法輪                同 夏山の木かけたにこそ凉しきをいはのたゝみのさとりいかにそ  0320:16220  同(得入無上道速成就佛身)                西行上人 わけいりしゆきのみ山のつもりにはいち志るかりし有明のつき  0321:16225  若坐若立若經行所                西行上人 たちゐにもあゆく草葉の露はかりこゝろをほかにちらさすも哉  0322:16226  隨喜功徳品如説而修行其福不可限                同 から國や教へ嬉しきつちはしもそのまゝをこそたかへさりけめ  0323:16232  唯獨自明了餘人所不見                西行上人 まし/\てさとる思ひはほかならし我なけきをは我志るなれは  0324:16233  常不輕品時乃得聞是法華經                同 萬世を衣のいはにたゝみあけてありかたくてそのりはきゝける  0325:16236  神力品如來一切祕要之藏                西行上人 くらふ山かこふ志はやのうちまてに心をさめぬところやはある  0326:16241  佛之知惠如來知惠自然知惠                西行 さま/\にきそのかけ路を傳ひ入ておくを志りつゝかへる山人  0327:16244  藥王品容顏甚奇妙光明照十方                西行 花をわくる峯のあさ日の影はやかて有明の月をみかくなりけり  0328:16248          〔面1イ〕  正使和合百千萬月其而貌端正                西行 わか心さやけきかけにすむものをあるよの月を日とつみるたに  0329:16252  同文(弘誓深如海暦劫不思儀)                西行                  〔む1〕 おしてるや深きちかひのおほあみに引れんことの頼もしきかな  0330:16253  〓【こざとへん+(施−方)】羅尼品乃至夢中亦復莫惱 夢のうちにさむる悟りのありけれは苦しみなしとゝきける物を  0331:16257  又如一眼之龜値浮木(孔)                西行 同しくはうれしからまし天の河のりをたつねしうき木なりせは  0332:16262  濁惡世中其有受持是經典者我當                西行 あはれみの名殘を花もとゝめけりにこるおもひの水すまぬよに  0333:16271  題不知                西行上人 花咲しつるのはやしのそのかみをよしのゝ山のくもにみしかな  0334:16296  花參せけるをしきに霰のふりかゝりければ                西行 志きみおくあかのをしきのふちなくはなにゝ霰の玉とまらまし  0335:16324  地獄の繪をみてよめる                西行 このみゝし劔のえたにのほれとて志もとのひしを身にたつる哉  0336:16325  同                西行 つみ人は志ての山ちの杣木かなをのゝつるきに身をわられつゝ  0337:16326  同                同 ひとつ身をあまたに風の吹きりてほむらになすそ悲しかりける  0338:16327  同                同 何よりは舌ぬく苦こそかなしけれ思ふことをもいはせしとはた  0339:16328  くろきほむらの中にをとこ女もゆる所を                同 なへてなき黒きほむらの苦しみはよるの思ひのむくいなるへし  0340:16370                西行上人                       〔る1イ〕 光させはさめぬかなへのゆなれともはちすの池になかめる物を  此歌は地獄の繪に阿彌陀の光願にまかせて重業障の物をきら  はず地獄を照し給によりて地獄のかなへ湯清凉の池にながて  蓮のひらけたる所をかきあらはせるをみてよめると云々  0341:16371  聖衆倶會樂                同 いけの上にはちすのいたを志きみてゝ浪ゐる袖を風のたゝめる  Subtitle  寺【16392-16470:七十九首】  0342:16393  家集月明寺邊                西行上人                  〔つくか2〕 ひると見る月にあくるを志らましや時をつくひの音なかりせは  0343:16412  家集                西行 入あひのおとのみならす山寺はふみよむこゑもあはれなりけり  0344:16452  尋花到古寺                西行上人                           〔む1〕 これやきく雲のはやしの寺ならむ花をたつぬるこゝろやすめん  0345:16453  たはふれ歌とてよめる(たかを寺、山城)                同 高尾寺あはれなりけるつとめかなやすらひ花とつゝみうつなり Book  夫木和歌抄卷第三十五  Section  雜部十七  Subtitle  帝王【16471-16496:二十六首】  【西行歌無し】  Subtitle  院【16497-16499:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  春宮【16500-16502:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  中宮【16503-16504:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  親王【16505-16508:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  將軍【16509:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  大臣【16510-16513:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  歌人【16514-16517:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  民【16518-16530:十三首】  【西行歌無し】  Subtitle  翁【16531-16544:十四首】  【西行歌無し】  Subtitle  法師【16545-16550:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  尼【16551-16554:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  優婆塞【16555-16556:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  父【16557-16562:六首】  【西行歌無し】  Subtitle  稚子【16563-16571:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  未通女【16572-16591:二十首】  0346:16584  家集                西行上人 いそなつむあまのさをとめ心せよおきふくかせに浪たかくなる  此歌は屏風のゑを人々よみけるにうみのきはにをさなき物あ  るところをよめると云々  Subtitle  嶋子【16592-16593:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  婦人【16594-16597:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  女【16598-16607:十首】  0347:16601    〔下女2イ〕  家集老不安をおもひかくる戀                西行上人 いちこもるうはめをうなの重ねもつこのて柏におもてならへむ  Subtitle  妹【16608-16612:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  我妹子【16613-16616:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  妻【16617-16624:八首】  【西行歌無し】  Subtitle  使【16625-16639:十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  商人【16640-16644:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  海人【16645-16676:三十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  夷【16677:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  田子【16678:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  匠【16679-16682:四首】  0348:16682  家集                西行上人              〔む1〕 まさきわるひもの工やいてぬらんむらさめすきぬかさとりの山  Subtitle  遊女【16683-16692:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  遊士【16693-16697:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  傀儡【16698-16709:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  樵夫【16710-16720:十一首】  0349:16715  家集雪歌中                西行上人                 〔し1〕 あらし山さかしくゝたるたにもなくからきのみちをつくる白雪  Subtitle  山老【16721-16725:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  健男 又 男子【16726-16729:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  長【16730-16733:四首】  【西行歌無し】  Subtitle  賤人【16734-16742:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  總角【16743-16744:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  埀髮子【16745-16750:六首】  0350:16749  たはれ歌とてよみける中に                西行上人 うなゐこかすさみに鳴すむきふえの聲におとろく夏のひるふし  Subtitle  奴僕【16751-16752:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  里子【16753:一首】  【西行歌無し】  Subtitle  唐人【16754-16760:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  楊貴妃【16761-16769:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  李夫人【16770-16772:三首】  【西行歌無し】  Subtitle  王昭君【16773-16781:九首】  【西行歌無し】  Subtitle  上陽人【16782-16788:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  陵園妾【16789-16792:四首】  【西行歌無し】 Book  夫木和歌抄卷第三十六  Section  雜部十八  Subtitle  賀【16793-16843:五十一首】  0351:16811  家集百首                西行上人 苔うつむゆるかぬ岩のふかきねは君かちとせをかためたるへし  Subtitle  大甞會【16844-16845:二首】  【西行歌無し】  Subtitle  元服【16846-16850:五首】  【西行歌無し】  Subtitle  行幸【16851-16860:十首】  【西行歌無し】  Subtitle  公事【16861-16867:七首】  【西行歌無し】  Subtitle  旅【16868-16958:九十一首】  0352:16936  家集                西行上人              〔む1〕 あふみのやのちの旅人いそかなむやすかはらとて遠からぬかは  Subtitle  狩獵【16959-16989:三十一首】  【西行歌無し】  Subtitle  眺望【16990-17008:十九首】  【西行歌無し】  Subtitle  哀傷【17009-17036:二十八首】  0353:17016:玉雜四  家集                西行上人                           〔る1〕 船岡のすそのゝつかにかすそひてむかしの人にきみをなしつゝ  此歌はあひ志りて侍ける人の身まかりてあとに十首歌人々よ  みけるによめると云々  0354:17017  地獄のゑをみて                同                            〔む1〕 哀れ/\かゝるうきめを見る/\は何とて誰もよにまきるらん  0355:17018  同                同 うかるへきつひの思ひをおきなからかり初の世に迷ふはかなさ  0356:17031  源氏物語卷々をみるによみける                西行上人 もえいつるみねの早蕨なき人のかたみにつみてみるもはかなし  0357:17033  家集山水の文の心を                西行上人 山河のみなきる水のおときけはせむるいのちそおもひ志らるゝ  Subtitle  夢【17037-17071:三十五首】  【西行歌無し】  Subtitle  戀【17072-17142:七十一首】  0358:17114:山家下  戀歌中                西行上人         〔を1〕   〔む1〕 あやひねるさゝみのうみのきぬときん涙の雨を志のきかてらに  Subtitle  占【17143-17154:十二首】  【西行歌無し】  Subtitle  言語【17155-17330:百七十六首】  0359:17270  戀百首歌中                西行上人     〔に1〕 朝露にぬれこしそてをほす程にやかてゆふたつわかたもとかな  0360:17286  家集花歌中                西行上人 花みれはそのいはれとはなけれとも心のうちそくるしかりける  0361:17287                同                   〔くとも2〕 よしの山はな吹きくして峯こゆるあらしは雲とよそに見ゆらむ  0362:17288                同 もろともにわれをもくしてちりね花うき世をいとふ心ある身そ  0363:17289                同 あたにちるさこそ木すゑの花ならめすこしはのこせ春の山かせ  0364:17290                同                〔く1〕       〔む1〕 かたはかりつほむと花を思ふよりそゝ又こゝろものになるらん  0365:17291  夏歌中                同 空晴てぬまのみかさをおとさすはあやめもふかぬ五月ならまし  0366:17292                同                〔て1〕 こさゝしくふるさとをのゝみちのあとを又澤になす五月雨の比  0367:17293  女郎花水近と云事を                同 をみなへし池のさなみに枝ひちて物思ふそてのぬるゝかほなる  0368:17294  月歌中                同                           〔る1〕 悔しくも賤のふせやとおとしめて月のもるをも志らてすきけり  0369:17295                同                           〔む1〕 弓張の月にはつれてみしかけのやさしかりしはいつかわすれん  0370:17296  幽歌中                同 なか/\にとき/\雲のかゝるこそ月をもてなす氣色なりけれ  0371:17297  同                同 秋風のふけゆくのへのむしのねにはしたなきまてぬるゝ袖かな  0372:17298  家集                同                     〔と1〕 せくとこにたけるうしほのおほよとみよとむとくゐもなき涙哉  0373:17299  戀歌中                同               〔む1〕 あやめつゝ人志るとてもいかゝせん志のひはつへき袂ならねは  0374:17300  同                同 さることのあるなりけりとおもひ出てしのふ心の忍へとそ思ふ  0375:17301  同                同                           〔む1〕 さることのあるへきかはと忍はれて心いつまてみさをなりけん  0376:17302  同                同      〔ち1〕 けふりたつふしに心のあらそひてよたけきこひをするかへそ行  0377:17303  同                同                           〔む1〕 むかはらはわれかなけきの報にてたれゆゑ君かものをおもはん  0378:17304  同                同 さかとよ4〕 さりともとほのかに人をみつれともおほえぬ夢の心ちこそすれ  0379:17305  同                同 ことゝいへはもてはなれたるけしき哉うらゝかなれや人の心の  0380:17306  同                同 いとほしやさらに心のをさなひてたまきれらるゝ戀もするかな  0381:17307  同                同  〔れ1〕 人志らぬなみたにむせふ夕暮はひきかつきてそうちふされける  0382:17308  同                同                     〔みな2〕 物思ふ袖になけきのたけ見えて志のふ志らぬはなみたなりけり  0383:17309  同                同 ものおもふ心のたけそ志られけるよな/\月をなかめあかして  0384:17310  同                同 いひたてゝうらみはいかにつらからむおもへはうしや人の心は  0385:17311  雜歌中                西行上人 とをてさすひくのおもてにひく潮に志つむ心そかなしかりける  0386:17312:玉神祇  同                同 かしこまりしてに涙のかゝるかなまたいつかはと思ふあはれに  此歌家集云よをのがれて後仁安二年十月一日夜賀茂にまゐり  てへいまゐらせけるにこのまの月ほの%\とつねよりもあは  れにおぼえてよめると云々  0387:17313  家集東山に阿彌陀佛と申ける聖人の庵室にまかりてよみたる                同                       〔ひ1〕 柴の庵ときくはいやしき名なれともよに好しきすまゐなりけり  0388:17314  落花を                同     〔め1〕 吹かせのなへてこすゑにあたるかなかはかりひとのをしむ櫻に  0389:17315  待花                同                           〔む1〕 今さらに春を忘るゝ花もあらしやすくまちつゝふけもくらさん  0390:17316  雨中待秋                同 はきか葉につゆのたまもる夕立は花まつあきのまうけなりけり  0391:17317  池上月                同 みさひゐぬ池の面のきよけれはやとれるつきもめやすかりけり  0392:17318  花歌中                同 よしの山雲をはかりにたつね入てこゝろにかけし花を志るかな  0393:17319  梅歌中                同                     〔む1〕 この春は志つか垣根にふしわひてむめかゝとめん人志たしまむ  0394:17320  戀百首中                同 われのみそわか心をはいとほしむあはれむ人のなきにつけても  0395:17321  同                同 よたけたつ袖にたくへてしのふかなたもとのたきにおつる涙を  0396:17322  齋院おりさせ給て後かの所の女房に申ける                同 君住まぬみうちは荒てありすかはいむすかたをもうつしつる哉  0397:17323                同 いつか又いつきの宮のいつかれて志めのみうちの塵をはらはむ  此歌はいせに齋宮おはしまさで年へにけり齋宮こたちばか  り御かどみえてついがきもなきやうになるをみて云々  Subtitle  述懷【17331-17387:五十七首】  【西行歌無し】  Description  跋                長清法名蓮昭 此夫木和歌抄者、藤原朝臣長清自撰也、昔中頃之歌 仙之家集、竝代々勅撰に漏るゝ和歌を拾集所也、目 今以後之爲勅撰之、又此道に志あらむ人のために、 世之嘲を不顧集置者也、又夫木抄と名付事、今案に 非ず、此鈔の名を思案して少しまどろみて有ける夢 の中に、白衣之老翁一人來曰、汝所撰之和歌抄者、我 朝之至寶也、末代之證歌成べし、倭國之風俗なれば扶 桑集と可名付と謂れけるを、夢心地に是は誰人にて 御座ぞと問ければ、我は是和歌の道に心を留し、江 中納言匡房と云者也とて夢覺ぬ、此由を冷泉黄門爲 相卿に被申ければ、爲相卿此事希代不思議之靈夢、 末代之希特、誠我朝之深祕鈔也、但扶桑者日本國總 名也、可有其憚扶の字のつくり桑の字の木を取合て、 夫木和歌抄と名付 夫木和歌抄いんさき藤原長清えらびおきしより、志 き志まの道に心をたのしぶ人、もてあそぶふみとな りにけり、志かはあれどながれの末にはとめずして、 鳥のあとのみなもとうひ/\しくおもほえねばいづ れを見るよすがもなく、更にひとりびとりの家集を かゞなへおほなは、ただし侍るものならし、猶ねも ころには、ざえあらんむまひとのこ、あらためたま ふべし                黒川 眞道                山崎 弓束 校 夫木和歌抄大尾  End  親本   夫木和歌抄 寛文五年板  底本::   書名:     夫木和歌抄   編輯兼發行者: 市島 謙吉   發行:     國書刊行會   初版:     明治三十九年十一月廿五日發行  入力::   入力者: 新渡戸 廣明(info@saigyo.net)   編集機: IBM ThinkPad X31 2672-CBJ   入力日: 2004年12月04日-2005年02月13日  校正::   校正者:   校正日:  $Id: fuboku2.txt,v 1.20 2020/01/06 03:45:05 saigyo Exp $