Title  野守鏡  Description 百首の歌をすゝめける念佛のつとめにさしあひて、西行よまざりければ、何亊も衰へ行く世の末までも、歌ばかりこそかはらぬ情にてあるよしをなむ熊野の權現、夢の中に示し給ひけるより、いとゞ歌のみよみつゝ、その望月の如月の頃つひに西のむかへにあづかりにきといひしかば、今こそ日頃の疑はとけ侍りぬれ。  Note 野守鏡 のもりのかがみ 鎌倉時代の歌論。 作者は,源有房,天台僧 (氏名不詳) など諸説がある。 1295 年 (永仁 3) 9 月に成立。 書写山 (播磨の円教寺) に参詣したおりに住僧から聞きえた話を紹介するという趣向は, 《大鏡》などと同巧。 上下 2 巻から成り,上巻では二条派的な平淡美を重んじる歌論を説き, 京極派,とくに為兼を批判,下巻ではおもに宗教論を述べ, 禅宗や浄土宗を非難している。 反京極派の歌論として,また仏教思想史上の資料として貴重。 赤瀬 知子 『ネットで百科@Home』  End  底本::   著名:  西行全集 第二巻   校訂:  久曾神 昇   発行者: 井上 了貞   発行所: ひたく書房   初版:  1981年02月16日 第 1刷発行  入力::   入力者: 新渡戸 広明(info@saigyo.net)   入力日: 2001年03月29日  校正::   校正者:   校正日: $Id: nomori.txt,v 1.5 2019/07/09 02:30:53 saigyo Exp $