天地明察 日本天文学史 2010/4/27
====以下単行本第12版P123L9より引用
・・・中国(清国)でも地動説に
疑問の余地はなく、当然、日本でも天文観測に特に長けた一部の者たちにとっては常識だった。
この地球が宇宙に浮かぶ一個の球体であり、それより遥かに巨大な太陽の周囲を、他の惑星と
ともに公転運動している。同じように、月などの衛星も地球の周囲を公転しており、様々な天
文現象をもたらす。
====以下文庫本(上)初版P144L7より引用 ・・・中国(清国)でも日本でも天文観測に特に長けた一部の者たちには地球が
一個の球体であることが認知されつつあった。それより遥かに巨大な太陽や月なども
規則正しく動く球体であり、互いの動きが天文現象をもたらすという認識が生まれよ
うとしていたのである。
おっ、地動説、引っ込めたね。
====以下単行本第12版P442L1より引用
一つは、大地だった。授時暦が作られた中国の緯度と、日本の緯度、その差が、術理の根本 的な誤差をもたらしていたことを実証したのである。北極星による緯度の算出、その”里差” の検証、さらには漢訳洋書という新たな視点によって、その誤謬が確実なものとなった。
====以下文庫本(下)初版P242L12より引用
一つは、大地だった。授時暦が作られた中国の経度と、日本の経度、その差が、術 理の根本的な誤差をもたらしていたことを実証したのである。北極星による経度の算 出、その”里差”の検証、さらには漢訳洋書という新たな視点によって、その誤謬が 確実なものとなった。
あぁ。やっちまったなぁ。泥沼ですね。北極星で経度が分かるんだ。ふーん。
====以下単行本第12版P442L11より引用
膨大な数の天測の数値を手に入れ、何百年という期間にわたる暦註を検証した結果、太陽と 月の動きから、この春海がいる地球そのものの動きが判明したのである。 地球は、太陽の周囲を公転し続けている。そのこと自体は天文家にとって自明の理である。 だがその動き方が、実は一定ではないということを、春海は、おびただしい天測結果から導 き出したのだった。 近日点通過のとき、地球は最も速く動く。逆に遠日点通過のときには、最も遅く動いている のである。これは、たとえば秋分から春分までがおよそ百七十九日弱なのに対し、春分から秋 分までは、およそ百八十六日余であることから、実は既に明らかになっていることでもあった。 後世、“ケプラーの法則”と呼ばれるもので、この近日点通過と、遠日点通過の地点もまた、 徐々に移動していく。となると、地球の軌道はどんな形になるか。太陽を巡る楕円である。 「……そんなばかな」
====以下文庫本(下)初版P243L12より引用
膨大な数の天測の数値を手に入れ、何百年という期間にわたる暦註を検証した結果、 太陽と月の動きが判明したのである。 太陽と惑星は互いに規則的に動き続けている。そのこと自体は天文家にとって自明 の理である。 だがその動き方が、実は一定ではないということを、春海は、おびただしい天測結 果から導き出したのだった。 太陽は、地球に最も近づくとき、最も速く動く。逆に最も遠ざかるときには、最も 遅く動いているのである。これは、厳密に秋分から春分までを数えるとおよそ百七十 九日弱なのに対し、春分から秋分までは、およそ百八十六日余であることから、明ら かになっていた。 後世、”ケプラーの法則”と呼ばれるものに近い認識である。このいわば近地点通 過と、遠地点通過の地点もまた、徐々に移動していく。となると、その運行はどんな 形になるか。 楕円である。 「……そんなばかな」
”ケプラーの法則”も「近い認識」とトーンダウン。
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