夫人間の浮生なる相をつら/\觀ずるに

夫人間の浮生なる相をつら/\觀ずるに
おほよそはかなきものはこの世の始中終
まほろしのごとくなる一期なりさればいまだ
万歳の人身をうけたりといふ事をきかず
一生すぎやすしいまにいたりて
たれか百年の形躰をたもつべきや我や
さき人やさきけふともしらずあすとも
しらずをくれさきだつ人はもとのしづく
すへの露よりもしげしといへりされば
朝には紅顔ありて夕には白骨となれる
身なりすでに旡常の風きたりぬれば
すなはちふたつのまなこたちまちにとぢ
ひとつのいきながくたえぬれば紅顔むな
しく變じて桃李のよそほひをうしなひ
ぬるときは六親眷属あつまりでなげき
かなしめども更にその甲斐あるべからず
さてもあるベき事ならねはとて野外
にをくり夜半のけふりとなしはて
ぬればたゞ白骨のみのこれりあはれといふも
中/\をろかなりされば人間のはかなき
事は老少不定のさかひなればたれの人も
はやく後生の一大事を心にかけて阿弥
陀佛をふかくたのみまいらせて念佛
まうすべきものなりあなかしこ/\

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改正章句附 御改悔文并御文
聖人御代々記 報恩講和讚
正信偈念佛和讚
東都書林
弘化三丙午歳六月

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五帖御文 第五帖第十六通
蓮如

 


— posted by nitobe at 02:49 pm   commentComment [3] 

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