山家集の緑
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水邊柳
水底にふかきみどりの色見えて風に浪よる河やなぎかな
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なみたてる川原柳の青みどり凉しくわたる岸の夕風
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題しらず
月のためみさびすゑじと思ひしにみどりにもしく池の浮草
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雲はるる嵐の音は松にあれや月もみどりの色にはえつつ
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社頭雪
玉がきはあけも緑も埋もれて雪おもしろき松の尾の山
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題しらず
緑なる松にかさなる白雪は柳のきぬを山におほへる
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かつらぎを尋ね侍りけるに、折にもあらぬ紅葉の見えけるを、何ぞと問ひければ、正木なりと申すを聞きて
かつらぎや正木の色は秋に似てよその梢のみどりなるかな
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あづまへまかりけるに、しのぶの奥にはべりける社の紅葉を
ときはなる松の緑も神さびて紅葉ぞ秋はあけの玉垣
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竹の色も君が緑に染められて幾世ともなく久しかるべし