2001年夏


夏バテにはビタミンB群が豊富な豚肉がいいそうです。
沖縄の人たちは豚肉をよく食べます。耳先から足先まで。

突然ですが、次の動物のうち、あなたが食べたことのある哺乳類はどれですか。
牛、豚、羊、山羊、馬、犬、猪、鹿、熊、鯨、海豚、猿・・・・人。

私は、犬、海豚、猿、人以外の肉はすべて食べたことがあります。
牛、豚は日常食べています。好物です。
今話題の「広尾町」の近く「池田町」は「池田ワイン」で有名ですが、昔、秋のワイン祭りには、牛の群れの近くで牛の丸焼きを振舞っていました。(今は知らない)
札幌の羊ケ丘公園で羊の群れを眺めながら食べるジンギスカンと生ビールは格別です。(これは道産子のスクリーニングにはなりません。「カツゲン」を知っているか否かが適当です。)
宮古島名物、山羊刺しは美味しかった。同行者に嫌われたことは言うまでもありません。
中央競馬の東北開催で「乗馬」と称して食肉にされてしまったサラブレットを食べます。
中国からの留学生が、歩いている赤犬を見て「美味そう」と言ったのを聞き逃しませんでした。
猪や鹿や熊はめったにお目にかかりませんが、ものめずらしさでご馳走になります。
給食のまずい竜田揚げを思い出しながら、ばか高い鯨の刺身を食べます。くじらベーコンの高騰を嘆いています。(グリンピースの皆さんごめんなさい)
西伊豆名物海豚はさすがに食べられませんでした。(これで許してください)
「世界残酷物語」で見た猿の脳みそは意外と美味しいかもしれない。
人はまだですが、状況によっては食べるかもしれません。(「アライブ」「野火」)

自分自身、何を基準に「食える」「食えない」を判断しているのか、よく分かりません。
でも、猫とか狐は食べたくないなぁ。なんとなく。

ところで、関西の人は東大寺の鹿の群れを見て「美味そう」と思うのでしょうか。
農耕が始まってからこの方、人間と鹿とは相性が悪いようで、畑を荒らす害獣鹿狩り(鹿討)は、洋の東西を問わず一般的なものだったようです。「小鹿物語」などというお話も伝わっていますが、角を切り、毛皮を剥ぎそして肉を食べていました。

梅雨により茂った新緑を存分に食べた今時分の鹿肉は「旬」で、鉄砲のなかった千年前には「照射(ともし)」といわれる方法で鹿を捕獲していたのだそうです。焚き火で鹿をおびき出し、弓で射る。この時、光る鹿の目を的にするのが秘訣とか。

西行さん、先祖代々、弓の名手で、鎌倉で忘れたと言いつつも講釈したくらいですから、やったこと、あるんでしょうね。食肉疑惑も浮上します。

>  0270:0239 (纂校山家集)
>  ともし
> ともしするほぐしのまつもかへなくにしかめあはせであかすなつのよ

このときの捕獲は失敗だったようですが・・・・。
中国、四国地方で、魚介類の漁を口やかましく非難しているにもかかわらず、鹿の狩りには無頓着です。若い頃の歌なのかもしれません。

2001年夏の宿題として西行MLに提出:2001年8月12日 新渡戸広明