Title 淨土和讚  Description 【一右】  【陀】  彌陁の名號となへつゝ   信心まことにうるひとは   憶念の心つねにして   佛恩報するおもひあり 【一左】  誓願不思議をうたかひて   御名を稱する往生は   宮殿のうちに五百歳   むなしくすくとそときたまふ 【二右】  Subtitle   【陀】  讚彌陁成佛偈曰  Description       曇鸞御造     【陀】  南无阿彌陁佛       釋名无量壽傍經       奉讚亦曰安養 【二左】  成佛已來 歴十劫  壽命方將 无有量  法身灮輪 徧法界  照世盲&M082441; 故頂禮 【三右】 一     二  又號无量灮 眞實明 三     四  又號无邊灮 平等覺 五      六  又號无㝵灮 難思魏 七     八  又號无對灮 畢竟依 【三左】 九     十  又號灮炎王 大應供 十一    十二  又號清淨灮 又號歡喜灮 十三  十四  大安慰 又號智惠灮 十五    十六  又號不斷灮 又號難思灮 【四右】 十七    十八  又號无稱灮 號超日月灮 十九  二十  无等等 廣大會 廿一  廿二  大心海 无上尊 廿三  廿四  平等力 大心力 【四左】 廿五  廿六  无稱佛 婆伽婆 廿七  廿八  講堂  清淨大攝受 廿九    三十  不可思議尊 道場樹 卅一  卅二  眞无量 清淨樂 【五右】 卅三    卅四  本願功徳聚 清淨勳 卅五  卅六  功徳藏 无極尊 卅七  南无不可思議灮 已上略鈔也 十住毗婆娑論曰 【五左】 自在人[我] 清淨人[歸]    [禮]    [命] 无量徳[稱] 已上    [讚]  Subtitle  【陀】 讚彌陁成佛偈和讚    【陀】 南无阿彌陁佛  Description       愚禿親鸞作 【六右】  0001:  【陀】 ○彌陁成佛のこのかたは   いまに十劫をへたまへり   法身の灮輪きはもなく   世の盲冥をてらすなり 【六左】  0002:  智慧の灮明はかりなし   有量の諸相こと/\く   灮曉かふらぬものはなし   眞實明に歸命せよ 【七右】  0003:  解脱の灮輪きはもなし   灮觸かふるものはみな   有无をはなるとのへたまふ   平等覺に歸命せよ 【七左】  0004:  灮雲无㝵如虚空   一切の有㝵にさはりなし   灮澤かふらぬものそなき   難思議を歸命せよ 【八右】  0005:  清淨灮明ならひなし   遇斯灮のゆへなれは   一切の業繋ものそこりぬ   畢竟依を歸命せよ 【八左】  0006:  佛灮照曜最第一   灮炎王佛となつけたり   三塗の黒闇ひらくなり   大應供を歸命せよ 【九右】  0007: ○道灮明朗超絶せり   清淨灮佛とまうすなり   ひとたひ灮照かふるもの   業垢をのそき解脱をう 【九左】  0008:  慈灮はるかにかふむらしめ   ひかりのいたるところには   法喜をうとそのへたまふ   大安慰を歸命せよ 【十右】  0009:  无明の闇を破するゆへ   智慧灮佛となつけたり   一切諸佛三乘衆   ともに嘆譽したまへり 【十左】  0010:  灮明てらしてたへされは   不斷灮佛となつけたり   聞灮力のゆへなれは   心不斷にて往生す 【十一右】  0011:  佛灮測量なきゆへに   難思灮佛となつけたり   諸佛は往生嘆しつゝ   【陀】   彌陁の功徳を稱せしむ 【十一左】  0012:  神灮の離相をとかされは   无稱灮佛となつけたり   因灮成佛のひかりをは   諸佛の嘆するところなり 【十二右】  0013: ○灮明月日勝過して   超日月灮となつけたり   釋迦嘆してなをつきす   无等等を歸命せよ 【十二左】  0014:  【陀】  彌陁初會の聖衆は   算數のおよふことそなき   淨土をねかはんひとはみな   廣大會を歸命せよ 【十三右】  0015:  安樂无量の大菩薩   一生補處にいたるなり   普賢の徳に歸してこそ   穢國にかならす化するなれ 【十三左】  0016:  十方衆生のためにとて   如來の法藏あつめてそ   本願弘誓に歸せしむる   大心海を歸命せよ 【十四右】  0017:  觀音勢至もろともに   慈灮世界を照曜し   有縁を度してしはらくも   休息あることなかりけり 【十四左】  0018:  安樂淨土にいたるひと   五濁惡世にかへりては   釋迦牟尼佛のことくにて   利益衆生はきはもなし 【十五右】  0019: ○神力自在なることは   測量すへきことそなき   不思議の徳をあつめたり   无上尊を歸命せよ 【十五左】  0020:  安樂聲聞菩薩衆   人天智慧ほからかに   身相莊嚴みなおなし   他方に順して名をつらぬ 【十六右】  0021:  顏容端政たくひなし   精微玅軀非人天   虚无之身无極體   平等力を歸命せよ 【十六左】  0022:  安樂國をねかふひと   正定聚にこそ住すなれ   邪定不定聚くにゝなし   諸佛讚嘆したまへり 【十七右】  0023:  十方諸有の衆生は    【陀】   阿彌陁至徳の御名をきゝ   眞實信心いたりなは   おほきに所聞を慶喜せん 【十七左】  0024:  若不生者のちかひゆへ   信樂まことにときいたり   一念慶喜するひとは   往生かならすさたまりぬ 【十八右】  0025: ○安樂佛土の依正は   法藏願力のなせるなり   天上天下にたくひなし   大心力を歸命せよ 【十八左】  0026:  安樂國土の莊嚴は   釋迦无㝵のみことにて   とくともつきしとのへたまふ   无稱佛を歸命せよ 【十九右】  0027:  已今當の往生は   この土の衆生のみならす   十方佛土よりきたる   无量无數不可計なり 【十九左】  0028:   【陀】  阿彌陁佛の御名をきゝ   歡喜讚仰せしむれは   功徳の寶を具足して   一念大利无上なり 【二十右】  0029:  たとひ大千世界に   みてらん火をもすきゆきて   佛の御名をきくひとは   なかく不退にかなふなり 【二十左】  0030:  神力无極の阿彌佗は   无量の諸佛ほめたまふ   東方恆沙の佛國より   无數の菩薩ゆきたまふ 【二十一右】  0031:  自餘の九方の佛國も   菩薩の往覲みなおなし   釋迦牟尼如來偈をときて   无量の功徳をほめたまふ 【二十一左】  0032:  十方の无量菩薩衆   徳本うへんためにとて   恭敬をいたし歌嘆す   みなひと婆伽婆を歸命せよ 【二十二右】  0033:  七寳講堂道場樹   方便化身の淨土なり   十方來生きはもなし   講堂道場禮すへし 【二十二左】  0034:  玅土廣大超數限   本願莊嚴よりをこる   清淨大攝受に   &M074461;&M044490;歸命せしむへし 【二十三右】  0035:  自利々他圓滿して   歸命方便巧莊嚴   こゝろもことはもたへたれは   不可思議尊を歸命せよ 【二十三左】  0036:  神力本願及滿足   明了堅固究竟願   慈悲方便不思議なり   眞无量を歸命せよ 【二十四右】  0037: ○寶林寶樹微妙音   自然清和の伎樂にて   哀婉雅亮すくれたり   淸淨を歸命せよ 【二十四左】  0038:  七寶樹林くにゝみつ   灮曜たかひにかゝやけり   華果枝葉またおなし   本頼功徳聚を歸命せよ 【二十五右】  0039:  淸風寳樹をふくときは   いつゝの音聲いたしつゝ   宮商和して自然なり   淸淨勳を禮すへし 【二十五左】  0040:  一一のはなのなかよりは   三十六百千億の   灮明てらしてほからかに   いたらぬところはさらになし 【二十六右】  0041:  一一のはなのなかよりは   三十六百千億の   佛身もひかりもひとしくて   相好金山のことくなり 【二十六左】  0042:  相好ことに日千の   ひかりを十方にはなちてそ   つねに妙法ときひろめ   衆生を佛道にいらしむる 【二十七右】  0043: ○七寶の寶池いさきよく   八功徳水みちみてり   无漏の依果不思議なり   功徳藏を歸命せよ 【二十七左】  0044:  三塗苦難なかくとち   但有自然快樂音   このゆへ安樂となつけたり   无極尊を歸命せよ 【二十八右】  0045:  十方三世の无量慧   おなしく一如に乘してそ   二智圓滿道平等   攝化隨緑不思議なり 【二十八左】  0046:  【陀】  彌陁の淨土に歸しぬれは   すなはち諸佛に歸するなり   一心をもちて一佛を   ほむるは无㝵人をほむるなり 【二十九右】  0047:  信心歡喜慶所聞   乃曁一念至心者   南无不可思議灮佛   頭面に禮したてまつれ 【二十九左】  0048:  佛慧功徳をほめしめて   十方の有縁にきかしめん   信心すてにえんひとは   つねに佛恩報すへし 【三十右】   已上四十八首[愚禿 ]         [親鸞作]  【陀】 阿彌陁如來  [觀世音菩薩]        [大勢至菩薩]        [富樓那尊者] 釋迦牟尼如來 [大目犍連 ]        [阿難尊者 ] 【三十左】        [韋提夫人] 頻婆娑羅王  [耆婆大臣]        [月灮大臣]        [阿闍世王] 提婆尊者   [雨行大臣]        [守門者 ] 【三十一右】   淨土和讚  愚禿親鸞作  Subtitle 大經意       二十二首 【三十一左】  0001: ○尊者何難座よりたち   世尊の威灮を瞻仰し   生希有心とおとろかし   未曾見とそあやしみし 【三十二右】  0002:  如來の灮瑞希有にして   阿難はなはたこゝろよく   如是之義ととへりしに   出世の本意あらはせり 【三十二左】  0003:  大寂定にいりたまひ   如來の灮顏たへにして   阿難の慧見をみそなはし   問斯慧義とほめたまふ 【三十三右】  0004:  如來興世の本意には   本願眞實ひらきてそ   難値難見とときたまひ   猶靈瑞華としめしける 【三十三左】  0005:  【陀】  彌陁成佛のこのかたは   いまに十劫とときたれと   塵點久遠劫よりも   ひさしき佛とみへたまふ 【三十四右】  0006:  南无不可思議灮佛   饒王佛のみもとにて   十方淨土のなかよりそ   本願選澤攝取する 【三十四左】  0007: ○无㝵灮佛のひかりには   淸淨歡喜智慧灮   その徳不可思議にして   十方諸有を利益せり 【三十五右】  0008: 〔本願のこゝろ第十八の選擇本願なり〕  至心信樂欲生と   十方諸有をすゝめてそ   不思議の誓願あらはして   眞實報土の因とする 【三十五左】  0009:  眞實信心うるひとは   すなはち定聚のかすにいる   不退のくらゐにいりぬれは   かならす滅度にいたらしむ 【三十六右】  0010: 〔三十五の願のこゝろなり〕  【陀】  彌陁の大悲ふかけれは   佛智の不思議をあらはして   變成男子の願をたて   女人成佛ちかひたり 【三十六左】  0011: 〔十九の願のこゝろ諸行往生なり〕  至心發願欲生と   十方衆生を方便し   衆善の假門ひらきてそ   現其人前と願しける 【三十七右】  0012:  臨終現前の願により   繹迦は諸善をこと/\く   觀經一部にあらはして   定散諸機をすゝめけり 【三十七左】  0013: ○諸善萬行こと/\く   至心發願せるゆへに   往生淨土の方便の   善とならぬはなかりけり 【三十八右】  0014: 〔二十の願のこゝろなり〕 〔自力の念拂を願したまへり〕  至心迴向欲生と   十方衆生を方便し   名號の眞門ひらきてそ   不果遂者と願しける 【三十八左】  0015:  果遂の願によりてこそ   釋迦は善本徳本を   【陀】   彌陁經にあらはして   一乘の機をすゝめける 【三十九右】  0016:  定散自力の稱名は   果遂のちかひに歸してこそ   おしへされとも自然に   眞如の門に轉入する 【三十九左】  0017:  安樂淨土をねかひつゝ   他力の信をえぬひとは   佛智不思議をうたかひて   邊地懈慢にとまるなり 【四十右】  0018:  如來の興世にあひかたく   諸佛の經道きゝかたし   菩薩の勝法きくことも   无量劫にもまれらなり 【四十左】  0019: ○善知識にあふこそも   おしふることもまたかたし   よくきくこともかたけれは   信することもなをかたし 【四十一右】  0020:  一代諸教の信よりも   弘願の信樂なをかたし   難中之難とときたまひ   无過此難とのへたまふ 【四十一左】  0021:  念佛成佛これ眞宗   萬行諸善これ假門   權實眞假をわかすして   自然の淨土をえそしらぬ 【四十二右】  0022:  聖道權假の方便に   衆生ひさしくとゝまりて   諸有に流轉の身とそなる   悲願の一乘歸命せよ 【四十二左】     已上大經意  Subtitle 觀經意       九首 【四十三右】  0001:  恩徳廣大釋迦如來   韋提夫人に勅してそ   灮臺現國のそのなかに   安樂世界をえらはしむ 【四十三左】  0002:  頻婆娑羅王勅せしめ   宿因その期をまたすして   仙人殺害のむくひには   七重のむろにとちられき 【四十四右】  0003: ○阿闍世王は瞋怒して   我母是賊としめしてそ   无道に母を害せんと   つるきをぬきてむかひける 【四十四左】  0004:  耆婆月灮ねんころに   是旃陀羅とはちしめて   不宜住此と奏してそ   闍王の逆心いさめける 【四十五右】  0005:  耆婆大臣おさへてそ   却行而退せしめつゝ   闍王つるきをすてしめて   韋提をみやに禁しける 【四十五左】  0006:  【陀】  彌陁釋迦方便して   阿難目連富樓那韋提   達多闍王頻婆娑羅   耆婆月灮行雨等 【四十六右】  0007:  大聖おの/\もろともに   凡愚底下のつみひとを   逆惡もらさぬ誓願に   方便引入せしめけり 【四十六左】  0008:  釋迦韋提方便して   淨土の機縁熟すれは   雨行大臣證として   闍王送惡興せしむ 【四十七右】  0009:  定散諸機各別の   自力の三心ひるかへし   奴來利他の信心に   通入せんとねかふへし 【四十七左】     已上觀經意  Subtitle 【陀】 彌陁經意      五首 【四十八右】  0001: ○十方微塵世界の   念佛の衆生をみそなはし   攝取してすてされは    【陀】   阿彌陁となつけたてまつる 【四十八左】  0002:  恆沙塵數の如來は   萬行の少善きらひつゝ   名號不思議の信心を   ひとしくひとへにすゝめしむ 【四十九右】  0003:  十方恆沙の諸佛は   極難信ののりをとき   五濁惡世のためにとて   證誠護念せしめたり 【四十九左】  0004:  諸佛の護念證誠は   悲願成就のゆへなれは   金剛心をえんひとは   【陀】   彌陁の大恩報すへし 【五十右】  0005:  五濁惡時惡世界   濁惡邪見の衆生には   彌佗の名號あたへてそ   恆沙の諸佛すゝめたる 〔五首切 卷頭〕 【五十左】        【陀】      已上彌陁經意  Subtitle 諸經のこゝろによりて 【陀】 彌陁和讚      九首 【五十一右】  0001: ○无明の大夜をあはれみて   法身の灮輪きはもなく   无㝵灮佛としめしてそ   安養界に影現する 【五十一左】  0002:       【陀】  久遠實成阿彌陁佛   五濁の凡愚をあはれみて   釋迦牟尼佛としめしてそ   迦耶城には應現する 【五十二右】  0003:  百千倶&M029295;の劫をへて   百千倶&M029295;のしたをいたし   したこと无量のこゑをして   【陀】   彌陁をほめんになをつきし 【五十二左】  0004:  大聖易住とときたまふ   淨土をうたかふ衆生をは   无眼人とそなつけたる   无耳人とそのへたまふ 【五十三右】  0005:  无上上は眞解脱   眞解脱は如來なり   眞解脱にいたりてそ   无愛旡疑とはあらはるゝ 【五十三左】  0006:  平等心をうるときを   一子地となつけたり   一子地は佛性なり   安養にいたりてさとるへし 【五十四右】  0007: ○如來すなはち涅槃なり   涅槃を佛性となつけたり   凡地にしてはさとられす   安養にいたりて證すへし 【五十四左】  0008:  信心よろこふそのひとを   如來とひとしとときたまふ   大信心は佛性なり   佛性すなはち如來なり 【五十五右】  0009:  衆生有礙のさとりにて   无㝵の佛智をうたかへは      【陀】   曾婆羅頻陁羅地獄にて   多劫衆苦にしつむなり 【五十五左】      已上諸經意  Subtitle 現世利益和讚    十五首 【五十六右】  0001:   【陀】  阿彌陁如來來化して   息災延命のためにとて   金灮明の壽量品   ときおきたまへるみのりなり 【五十六左】  0002:  山家の傅教大師は   國土人民をあはれみて   七難消滅の誦文には   南无阿彌佗佛をとなふへし 【五十七右】  0003:  一切功徳にすくれたる      【陀】   南无阿彌陁佛をとなふれは   三世の重障みななから   かならす轉して輕微なり 【五十七左】  0004:     【陀】 ○南无阿彌陁佛をとなふれは   この世の利益きはもなし   流轉輪迴のつみきへて   定業中夭のそこりぬ 【五十八右】  0005:  南无阿彌佗佛をとなふれは   梵王帝釋歸敬す   諸天善神こと/\く   よるひるつねにまもるなり 【五十八左】  0006:  南无阿彌佗佛をとなふれは   四天大王もろともに   よるひるつねにまもりつゝ   よろつの惡鬼をちかつけす 【五十九右】  0007:  南无阿彌佗佛をとなふれは   堅牢地祇は尊敬す   かけとかたちとのことくにて   よるひるつねにまもるなり 【五十九左】  0008:     【陀】  南无阿彌陁佛をとなふれは   難陀䟦難大龍等   无量の龍神尊敬し   よるひるつねにまもるなり 【六十右】  0009:  南无阿彌佗佛をとなふれは   炎魔法王尊敬す   五道の冥宦みなともに   よるひるつねにまもるなり 【六十左】  0010: ○南无阿彌佗佛をとなふれは   他化天の大魔王   釋迦牟尼佛のみまへにて   まもらんことそちかひしか 【六十一右】  0011:  天神地祇はこと/\く   善鬼神となつけたり   これらの善神みなともに   念佛のひとをまもるなり 【六十一左】  0012:  願力不思議の信心は   大菩提心なりけれは   天地にみてる惡鬼神   みなこと/\くおそるなり 【六十二右】  0013:     【陀】  南无阿彌陁佛をとなふれは   觀音勢至はもろともに   恆沙塵數の菩薩と   かけのことくに身にそへり 【六十二左】  0014:  无㝵灮佛のひかりには       【陀】   无數の阿彌陁まし/\て   化佛おの/\こと/\く   眞實信心をまもるなり 【六十三右】  0015:  南无阿彌佗佛をとなふれは   十方无量の諸佛は   百重千重圍繞して   よろこひまもりたまふなり 【六十三左】      已上現世利益  Subtitle 首楞嚴經によりて大勢至 菩薩和讚したてまつる八首 【六十四右】  0001: ○勢至念佛圓通して   五十二菩薩もろともに   すなはち座よりたゝしめて   佛足頂禮せしめつゝ 【六十四左】  0002:  教主世專にまふさしむ   往昔恆河沙劫に   佛世にいてたまへりき   无量灮とまふしけり 【六十五右】  0003:  十二の如來あひつきて   十二劫をへたまへり   最後の如來をなつけてそ   超日月灮とまふしける 【六十五左】  0004:  超日月灮この身には   念佛三昧おしへしむ   十方の如來は衆生を   一子のことく憐念す 【六十六右】  0005:  子の母をおもふかことくにて   衆生佛を憶すれは   現前當來とをからす   如來を拜見うたかはす 【六十六左】  0006:  染香人のその身には   香氣あるかことくなり   これをすなはちなつけてそ   香灮莊嚴とまふすなる 【六十七右】  0007:  われもと因地にありしとき   念怫の心をもちてこそ   无生忍にはいりしかは   いまこの娑婆界にして 【六十七左】  0008:  念佛のひとを攝取して   淨土に歸せしむるなり   大勢至菩薩の   大恩ふかく報すへし 【六十八右】      已上大勢至菩薩  源空聖人御本地也 【六十八左】 【空白】  End  底本::   書名:  淨土和讚   著者:  親鸞   書写:  蓮如 教如  常如&M000000; 乘如  現如      彰如   發行:  不明 慶長四 延寚五 天明八 明治三十八年  大正九   初版:  不明  入力::   入力者: 新渡戸 廣明(info@saigyo.net)   入力機: Sharp WS003SH   編集機: IBM ThinkPad X31 2672-CBJ   入力日: 2007年06月28日  校正::   校正者:   校正日:  $Id: jyodowasan.txt,v 1.17 2020/01/20 00:07:46 saigyo Exp $