Title 大和名所圖會  Book 大和名所圖會卷之一  Book 大和名所圖會卷之二  Subtitele 2036 眞野萩原 所さたかならす・・・  Description  「山家集」                西行 分かねし袖に露をはとめ置て霜に朽ぬるまのゝ萩原  Book 大和名所圖會卷之三  Subtitele 3009 外山里 秋篠の西にあり 名木楓あり  Description  「新古今」                【たけ1】                【嶽】 秋しのゝ外山の里や時雨らん伊駒の嵩に雲のかゝれる  Book 大和名所圖會卷之四  Book 大和名所圖會卷之五  Book 大和名所圖會卷之六 上  Figure 6115 撰集抄曰  Description むかし増賀聖人といふ人 いまそかりけるいとけなかり けるより道心ふかくて天台 山の根本中堂に千夜 こもりて祈給ひけれども なを眞の心やつきかねて 侍りけん〔中略〕終に 大和國武嶺と いふ所のさそらへ 入て智朗禪師 の庵のかたはかり 殘けるにぞ居を しめ給へりける  Subtitle 6132 吉野山 一名金御嶽 又名金峯山 又名國軸山 拾**曰天竺佛生國・・・  Description 【略】  「新古今」                西行 吉野山やかて出しと思ふ身を花ちりなはと人や待らん 【略】  Figure 6133  Description  「新古今」                西行 よし野山 去年の枝折の 道かへて またみぬかたの 花を尋ん  Figure 6146 西行庵 苔清水  Description  「山家集」                西行法師 とく/\と 落る 岩間の 苔清水 くみほす 程も なき住ゐ かな  Book 大和名所圖會卷之六 下  Subtitle 6206 苔清水  Description 西行法師の庵室あり正面堂より西北にあたり堂の・・・  「山家集」                西行上人 淺くともよしや又くむ人もあらし我にことたる山の井の水  「吉野紀行」                飛鳥井 雅章  西行法師此山にみとせのあいた住ゐせし所なりとかたりしかば  花ちりなばとよみしことのはも此所ならんかし 花にいりて思ひしられぬ吉野山やかていでしといひしことの葉  Subtitle 6210 笙岩屋 國見の山腹にあり  Description 【略】  「山家集」  みだけよりさうの岩屋へまいりたりけるにもらぬ  岩屋もとありけんを思ひ出られて                西行 今宵こそ哀もあつき心地して嵐の音をよそに聞かな 【露もらぬいはやもそではぬれけりときかずばいかにあやしからまし】  Subtitle 6212 宮川 吉野川水上の名なるべし  Description  「山家」                西行 瀧おつる吉野の奧の宮川のむかしを見けん後したはばや  Subtitle 6219 宮瀧 宮瀧村にあり  Description 【略】  「山家集」                西行 瀬をはやみ宮瀧川を渡り行ば心の底のすむ心地する  Subtitle 6230 山上嶽 大和志日吉師山より南六里・・・  Description                 ・・・又東行一里は かりに小篠といふに至る則行者堂聖寶堂護摩の石壇大黒 石窟あり  「山家集」  小篠のとまりと申所にて  露しげかりけれは 分きつる小篠の露にそほちつゝほしそわつらふ墨染の袖 又西南一里はかりに脇宿といふあり一名篠の宿といふ  「山家集」  さゝのすくにて                西行 庵さす原の枕に友なひて篠の露にも宿る月かな 又南のかた一里はかりに普賢岳といふあり又南のかたに一里餘ゆけば 児宿といふ所あり其南のかた一里ばかりに行者返といふありまた行 こと二里八町に至れは御山といふあり又南五里はかりゆけは則 釋迦岳なり 北の方吉野山より南の方玉置山まて       ****峯中といふ  「山家集」  行者かへり児とまりにつゝきたるすくなり  春の山伏は屏風たてと申所をたいらかに  すきん事をかたくおもひて行者ちごのと まりにてもおもひわつらふなるべし                西行 屏風にや心を立ておもひけん行者はかへり児はとまりぬ  Subtitle 6231  Description  「山家集」    〔しんせん2〕  大峯の神仙と申所にて月を  見てよみける                西行 ふかき山に住ける月を見さりせばおもひでもなき我身ならまし みさん2〕 御山は山上嶽より南のかた六里はかりにあり層巒疊嶂として山路 巉しく所謂御嶽神仙といふも此ほとりの事とかや又御山より 南のかた十町餘に大日岳あり又其南一里はかり行は小池宿と いふあり平地宿は又南三里はかりにあり是より二十町南に至れは 轉法輪岳といふ又南へ二里十六町を歩行ば**辻*善宿な とありて是を*て天狗岳に至る  「山家集」  小池と申すくにて                西行 いかに【に】して梢の隙をもとめえて小池に今宵月のすむらん  「山家集」  へいちと申すくにて月を見けるに梢の  露のたもとにかゝりければ                西行 梢なる月も哀をおもふべし光にぐして露のこぼるゝ  「山家集」  轉法輪のだけと申所にて釋迦の  説法の座のいしと申所をおかみて                西行 爰こそは法とかれたる所よと聞さとりをもえつるけふ哉 天狗岳より南にかた一里餘に地藏岳あり其南二十七町には東屋 岳となつくるあり是より東南十八町行は千種岳に至る一名 仙嶽といふことそ又笠捨山ともなづく姥捨山に連れるをもつ て名とすると也又西のかたに三里二十町に古屋宿あり其南 一里十四町を踰れは花折宿に至る其西のかたを經尾といふ 又西南二十五町をゆけは土室岳にいたり又西南五町を去れは 玉置權現立給ふ  「山家集」  あづまやと申所にて時雨の後月を見て                西行 神無月時雨はるれば東屋の峯にそ月はむねとすみける  「山家集」  ちくさのたけにて                西行 分て行色のみならす梢さへちくさのだけは心そみけり  「山家集」  をばすての嶺と申所の見わたされて  おもひなしにや月ことに見へけれは                西行 姨捨はしなのならねどいづくにも月すむ峯の名にこそ有けれ 【略】  End  底本::   書名:  大和名所圖會   發行:  寛政六年   著者:  秋里籬島   畫 :  竹原春朝齋  翻刻::   翻刻者: 新渡戸 広明(nitobe@saigyo.net)  入力::   入力者: 新渡戸 広明(nitobe@saigyo.net)   入力機: SHARP Zaurus MI-E21   編集機: IBM ThinkPad X31 2672-CBJ   入力日: 2006年03月20日 $Id: zue_yamato.txt,v 1.7 2019/07/09 02:30:53 saigyo Exp $